テレビ業界人は、同業者とは付き合いたくない。その理由
「とにかく忙しそう」そんなイメージのあるマスコミ業界。
ここでいう「マスコミ」とは、大手広告代理店や、テレビ・キー局ではなく、番組制作会社のディレクター、AD、放送作家といったクリエイターに属する人たちのことです。
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「出会いはなくはないんですけど、付き合うのに躊躇するんですよね」
こう語ってくれたのは、キャリア5年目のディレクターHさん(29歳・契約社員)。
毎日終電まで働き、今年は夏休みも取れていないと、かなりご多忙な様子。Hさんは物腰が柔らかく見た目は爽やか、New Eraのキャップの似合うイケメンで、「モテなさそう」という印象を持つ人は少ないはずです。
ところが、もう3年以上も彼女がいないのだとか。
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「一応、業界の飲み会は結構あるので、女の子との出会いはあるにはあるんですけど、同業で付き合ってうまくいってる人ってまずいないんですよね。
どっちかが担当している番組を一緒に見たりしていて、“これ成立してなくない?”とか、“フリがないしこのオチは乱暴だよね”なんて、お互いの番組について素直な感想を言おうものなら大喧嘩になりますからね。
でもお互い、テレビが好きで業界に入ってきてるし、根っからのクリエイターだから言わずにはいられないんです」
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「同業と付き合うのは嫌だ」というのはよく聞く話ですが、テレビマンの場合もしかり。お互いの番組を批判しあってしまうような関係だと、恋人関係を続けるのはむずかしそうな気がしますね。
では、彼女にしたいと思った人には、どのように接するのでしょうか?
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「だから僕が、“ちょっといいな”と思った人がいたら、この人はどんな批判の仕方をするのかを探るようにしてます、具体的には、“最近読んだ本でつまらなかったのってどんなの?”って聞くんです。
自分の感性と違うからとか、物語の登場人物の行動にムカついたからとか、感情的な批判しかできない子は、僕はNGです。逆に、こういうネガティブな話題を上手に伝えられる人だったら、もう本気になっちゃいますね。
これ、映画じゃだめなんですよ。相手もテレビマンだから。感想ではなくて、分析になっちゃうので」
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これを聞いて「なるほど!」と思いました。あなたの業界はどうでしょうか?
(新刊JP編集部・東海林)