だれかに話したくなる本の話

この写真が示す「ガリガリ君」が子供にウケた勝因。女心も掴む巧みな戦略とは?

コンビニやスーパーで手に入る、定番の人気アイス「ガリガリ君」。

およそ2ヶ月おきに新フレーバーを発売する企画力や、「コーンポタージュ味」「ナポリタン味」など、斬新な試みにも挑戦する攻めの姿勢が人気を後押ししている。

「ガリガリ君」の開発者で、現在、発売元である赤城乳業・監査役の鈴木政次氏は 『スーさんの「ガリガリ君」ヒット術』(ワニブックス刊)の中で、ガリガリ君を今日のようなロングヒット商品に育て上げた販売戦略を公開している。

その秘密を紐解くために、まずは次の写真を見てほしい。

※画像が表示されてない場合はこちらから(https://www.sinkan.jp/images/middle/57c94a751ac62.jpg)

■「片手で食べられるかき氷」を作る

「ガリガリ君」の開発は、「片手で食べられるかき氷を作ろう!」というコンセプトから始まったという。当時、氷菓子のトレンドは「カップアイス」であったが、片手にカップを持ち、もう一方の手で木製のスプーンを持って食べる姿に鈴木氏は注目した。

当時、子どもたちを夢中にしていたのは、マンガ本や、コンピューターゲームといった手を使う遊びだ。

「両手がふさがっていると、子どもたちはアイスを食べながら、本を読んだり、ゲームを楽しんだりすることができない。そういう問題点を発見したから、ワンハンドで食べられるガリガリ君を創造することができた」
(『スーさんの「ガリガリ君」ヒット術』68ページより引用)

大人の感覚なら、「テーブルに置けるカップアイスの方が、ゲームがしやすいじゃないか」と考えるかもしれない。しかし、子どもからしてみれば「アイスを食べる数分でさえ、片時も遊びを中断したくない」のだろう。

鈴木氏の読みは当たり、ガリガリ君は大ヒットした。

スーさんの「ガリガリ君」ヒット術

スーさんの「ガリガリ君」ヒット術

ソーダ味の色に「青」を使ったのは、ガリガリ君が初めてだそうです