資産形成の最適解 会社員こそ不動産投資をすべき理由
貯蓄だけではなかなか資産が増えない昨今、安定した資産運用をするための選択肢として不動産投資を考えている人は多いはず。都心部には旺盛な賃貸需要があり、きちんとした戦略に基づいて不動産を取得し、運営することで、貯金よりもはるかに効率的に資産を増やしていくことができる。「最低2000万円必要」とされる老後資金も、不動産投資を行うことで達成への道筋は見えやすくなる。また節税や生命保険機能など、資産形成以外のメリットも多い。
不動産は高額な商品であり、取得するには勇気が必要だが、リスクを極限まで抑えて運用する方法はある。その手法を教えてくれるのが『不動産投資の最適解~家賃収入×節税効果で手取り額を確実に増やす方法~』(パノラボ刊)だ。
「普通の勤め人」にとって不動産投資はどの程度リスクがあるのか、そして収益を出すにはどのように物件を取得すべきなのか。入ってくるお金に対して出ていくお金はどれくらいなのか。持ち出しはどのくらいなのか。今回は著者の大石啓太さんに、本書を読んで抱いた感想と疑問をぶつけた。
■都内のワンルームマンション投資 毎月の想定収支は?
――『不動産投資の最適解~家賃収入×節税効果で手取り額を確実に増やす方法~』についてお話をうかがえればと思います。不動産の世界に長く携わってこられた大石さんが、今回の本で書かれた「東京の中古区分マンションを複数購入する」という手法を「サラリーマンのための不動産投資の最適解」だと考えるようになった経緯についてお聞きしたいです。
大石:私はこの業界で約20年働いていますが、この本で書いたようなやり方で不動産を持ったお客さんで大きなマイナスが出てしまった方はほとんどいませんし、皆さん家賃収入はもちろん、節税効果であったり、生命保険としての機能であったりと、不動産を持つことで得られるものをしっかり得ています。そういう事例を間近で見てきていますので、会社勤めの方にはおすすめできるやり方だと考えています。
――「不動産投資はリスクが高い」という意見は根強く残っていますが、これはバブル崩壊の際に、当時不動産ビジネスをしていた方が大きな損失を出す事例があったことから来ているように思います。ただ、バブル崩壊以降、今に至るまでは不動産の世界に大きな変化は起こっていないともいえますね。
大石:バブル当時とは不動産ビジネスのやり方が違う点も重要です。当時は不動産を買ってすぐに売却し、利ザヤを稼ぐという運用の仕方だったのですが、今は賃貸に回して家賃収入を得るという、資産運用目的で不動産を取得する方が主流です。不動産業界には大きな変化はないですが、ビジネスの仕方は当時とは大きく変わっています。
――普段仕事を持つ人が行う投資として「不動産」が適している理由はどんな点にありますか?
大石:一番大きいのは「放っておけること」でしょうね。
――物件の管理などは管理会社に任せてしまえばいいということですか?
大石:それもありますが、精神的に放っておけるのも大きいです。不動産投資専用の口座を作ってしまえば、そこに家賃が振り込まれて、引き落としもそこからされて、税金などの還付もそこに入るので、日常生活の収支と切り分けられるわけです。
そうなると、家計からの持ち出しがあるかどうかも、逆にどのくらい収益が出ているのかも一目瞭然なので、普段の生活で気を使わなくていい、という意味で放っておけるんです。
――不動産を取得して賃貸に回す場合、「出ていくお金」としてはローンの支払いや物件の管理費、固定資産税などですか?
大石:あとは修繕積立金ですかね。ただ、今回の本で紹介しているのはワンルームマンションへの投資なのですが、ファミリー向けの物件と違って、管理費も修繕積立金も毎月1万円ちょっとくらいですから、さほど負担にはならないと思います。
――毎月の収支のイメージを教えていただきたいです。
大石:都内の中古ワンルームマンションですと、家賃からローンと管理費、修繕積立金を差し引くと若干のコストは発生しますが、一般的な会社員の年収であればさして負担にはならない程度です。そこにプラスして固定資産税が年間で7万円から8万円出ていく、という感じですね。
ただ、固定資産税の通知が来るのって6月くらいなんですよ。不動産投資をされている方なら確定申告をしているはずで、期限までに申告していれば還付金は4月か5月には入っているので、固定資産税についてはそれでペイできると思います。
(後編につづく)