会社員が不動産投資で収益を得るための唯一無二の「勝ち筋」とは?
国の主導で「貯蓄から投資へ」という流れができ、これまで投資や資産運用に関心がなかった人も余剰資金を投資に振り向けるようになっている。長いデフレから脱却し、ようやく賃金が上がり始めたとされる日本だが、この賃上げ傾向がいつまで続くのかはわからないし、インフレはインフレで貯蓄の価値を目減りさせる。結局のところ、投資はやらざるをえないのかもしれない。
投資先としては、積立NISAをはじめとする株式ばかりが注目されるが、忘れてはいけないのが不動産である。不動産はインフレに強く、安定したキャッシュを生み出す。減税にもなり、団体信用保険を活用した生命保険としての保障効果もある。「普通の勤め人」にとって魅力が多い投資なのだ。
■不動産投資には必勝パターンがある
しかし、不動産投資は素人にとっては敷居が高く感じるのも確かである。そして、様々な人がさまざまな成功法を語っており、何が正解なのかもよくわからない。しかし、実際のところ不動産投資の「勝ち筋」はある程度決まっている。
『不動産投資の最適解~家賃収入×節税効果で手取り額を確実に増やす方法~』(大石啓太著、パノラボ刊)は、会社勤めのかたわらで不動産投資をする人に向けての最適解を解説する。
不動産投資をする人の心理としては「大儲けしたい」というよりも「失敗したくない」「できる限りリスクは回避したい」ではないだろうか。コツコツと、しかし着実に資産を増やしていく、ということであれば、正解はある程度定まっている。
■兼業不動産投資の唯一無二の「勝ち筋」
本書では、その勝ち筋とは「東京の中古区分マンションを購入すること。それも可能であれば複数購入すること」だとしている。
まず立地だが、人口減少社会の日本でも東京への人口流入は進んでおり、賃貸需要が先細ることは考えにくい。これは安定した収益を得る大前提である。
また、会社勤めをしている人の年収を考えると、アパートやマンションの「一棟買い」は現実的ではないし、戸建て物件は空室リスクが高い。自ずと投資する物件は区分マンション、かつ新築時の割高な価格設定による価値の急落を経験し、今後の価値の下落が起きにくい中古物件、それも単身者の増加により安定した賃貸需要が見込めるワンルームに絞られる。
そして、まず一つの物件に投資をして、それが軌道に乗ったら二つめ三つ目と投資先物件を増やしていくことでリスクの分散ができる。これが、本書で推奨している兼業不動産投資家の勝ち筋である。
■「不動産投資はお金がかかりすぎる」は本当か?
ただ、いくらワンルームで、なおかつローンを組めるとはいえ、都心部に不動産を持つのは勇気がいるものかもしれない。実際には、どれほどの自己資金が必要になるのだろうか。
ここで知っておきたいのは、ワンルームマンションに投資する場合、物件価格の100%まで融資を受けられる場合があること。それゆえ、一般的な2000~3000万円ほどの物件も、物件購入費以外の諸費用をまかなえるだけの自己資金があればスタートできるということだ。決して、都心にワンルームを持つことは、「ハードルが高い選択」というわけではない。
◇
一方で、不動産投資は物件を買いさえすれば安定した収益が見込めるほど甘いものでもない。立地選びから運営まで、知っておくべきことは山ほどある。本書では、ここで紹介した「勝ち筋」をより確実なものにするための、細かな知識を授けていく。
「大変そう」「失敗した時のリスクが高い」「お金がかかりすぎる」といったイメージで尻込みしている人は、本書を読めば「あれ?意外とできそうかも」と思えるはず。投資を考えているものの何をすればいいかわからない人や、不動産投資を検討している人にとって絶好の教科書となる一冊だ。