だれかに話したくなる本の話

読書が仕事に活きるとき。本を読むことの意義と楽しみとは

企画立案・スピーチなどのスキルを身につけるにも、日々の読書がモノを言い、人生の活力は「読書」にある。そう述べるのは、元官僚であり、昭和女子大学理事長・総長の坂東眞理子氏だ。

『人は本に育てられる』(幻冬舎刊)では、330万部を超える大ベストセラーになった『女性の品格』の著者でもあり、78歳になった今も教育現場の第一線で活躍する坂東氏が、本を読むことの何ものにも代えられない意義と楽しみを紹介する。

■読書の経験が仕事の場で活きる

小学校入学前から本をむさぼり読み、子供の頃は文学と歴史の本を大量に読み、学生時代、社会人になってからも多くの本を読んでいた坂東氏は1995年、埼玉県副知事に任命された。

在任中は土曜日も日曜日も出勤するような毎日で、自分の時間のない生活を送っていた。本を読む時間もコマ切れにしか取れず、じっくり読書するのは電車の中だけだったが、挨拶などのときには今まで多くの読書をしていた蓄積が生きたという。

古典や文学、歴史など全く実務に関係ない単なる自分の楽しみ、知っていても仕事には何の役にも立たないと思っていたような知識がスピーチでは役に立ったのだ。

責任のあるポストに就任し、自分の言葉で初めて会う人たちに語りかけなければならない場が多くなると、小説や短歌など過去の読書が言葉の厚みとなる。スピーチには過去の読書が言葉の厚みとなって滲み出るのだ。

■本を選ぶときの参考に

体は食べ物と運動でつくられる、心と体は本と仕事で育てられる。人生の前半は文学や歴史書などの本を読むことで知識を得て、事実を知り、社会生活の基礎知識を身につけ、人生半ばからは、仕事をするうえで必要な知識を得るため、経済や政治、社会に関わる本を多く読んだと坂東氏は述べる。

本書の中では坂東氏がどんな本を読んでいたかも紹介されているので、何を読んだらわからない人には参考になるだろう。また、10代という時期には、小説や文学だけでなく、もっと広い世界に興味を持ち、現実社会に目を向け、科学、経済、社会学などの分野の本も読んでみるといいという。

本書から本を読むことの意義や楽しさを知り、日々の読書を楽しみ、仕事や日常生活に活かしてみてはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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