だれかに話したくなる本の話

ハーバード“伝説の授業”から学ぶ、習慣をつくるために必要なこと

2002年、ハーバード大学で8名の小さなゼミから始まり、講義開始から4年で受講生数が100倍になったタル・ベン・シャハー氏による「幸せになるための授業」。

いったいどんな内容の授業なのか。

『ハーバードの人生を変える授業』(成瀬まゆみ訳、大和書房刊)は、ポジティブ心理学の第一人者である心理学博士のタル・ベン・シャハー氏が、ハーバード大学で最大の履修者がつめよせた伝説の授業を52講にまとめ、その理論とアクションプランを紹介した一冊だ。

■習慣をつくるために必要なこととは?

「変化する」ことは非常に難しいとする研究結果が数多くある。新しいやり方を取り入れる、古い習慣を変えるということは大変なことだ。変化するために必要なのは、自制心を養うことではなく、習慣を取り入れる必要がある。

最初に何かを習慣化することは難しいが、習慣を続けることは比較的簡単といえる。たとえば、歯を磨くことは習慣だから、特別な自制心は必要ない。そして、変化を起こすにはそれと同じことをすればいいのだ。

習慣をつくるには、確固たる価値観に基づき、決められた行動を特定の時間に行うことが必要だ。清潔であることは非常に価値があることなので、歯磨きは習慣にしているということだ。

また、幸福に価値をおき、さらに幸せになりたいと願うのであれば、その思いを中心に習慣をつくる必要がある。 これをすればもっと幸せになれると思う2つの習慣を考えてみる。

たとえば、毎晩15分間瞑想する、2日に一度は好きな本を読む、毎週日曜日の午後の2時間を趣味に費やすなど。習慣にすることを決めたら、スケジュール帳に書いて実行する。1ヶ月くらい続ければ、新しい習慣は歯を磨くのと同じくらい簡単なことになるという。

ポイントは、一度に1つか2つの習慣を取り入れ、無意識にできるようになるまでは、新たな習慣を取りいれないこと。野心的になりすぎて失敗するよりも、緩やかに変化し続けるほうが成功に近づくからだ。

 ◇

従来の心理学がうつなどの病理に焦点をあてるのに対し、ポジティブ心理学は心の健康といった人がよりよく生きるとはどういうことかを研究する学問。「幸せ」研究の第一人者のタル・ベン・シャハー氏の講義を本書から受けてみてはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)

ハーバードの人生を変える授業

ハーバードの人生を変える授業

幸せを手にするために実践したい52の学び

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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