だれかに話したくなる本の話

うつは「疲労」から始まる!休むのが苦手な人が知るべきこと

仕事や家事で疲れたら少し休むのはあたりまえのことのように思えるが、この「休む」が苦手な人が一定数いる。心身に不調をきたしていたとしても、休もうとしない人。あたかも休むとかえってストレスになるかのように、何もせずに休息を取ることをかたくなに拒否する人。どう見ても休息が不足しているのに「自分は十分休んでいる」と言い張る人もいる。

しかし、働きすぎは確実にその人の心身を壊していく。
「仕事が最近うまく回らない」
「悲しくないのに涙が出る」
「理由がわからない不安に苛まれている」

こういう人は、すでに自分の内側からSOSが出ているが、休むのが苦手な人に周りが「休みなさい」と言ってもなかなか心に響かない。

◾️うつは「疲労」から始まる

本来なら「心身を休めるのも仕事のうち」なのだが。頑張り屋の人ほど、この考えがなじまず、休みを作りがらないもの。ただ『全部うまくいかないのはわたしが頑張りすぎるから 休めない人の心をゆるめる相談室』(下園壮太著、WAVE出版刊)によると、うつなどの心身の不調はそもそも疲労から始まるものなのだという。

以前はできていた仕事がまわせなくなると、つい自分の能力不足や努力不足だと考えて、もっとがんばろうと思ってしまいがちだが、それは間違い。単に疲れが溜まっていて、体調が崩れていたり、集中力が低下しているのだ。こういう状態だと、ますます思考がネガティブになり、その結果ますます物事がうまくいかなくなる。そしてさらにネガティブになっていく。これが現代人がうつになっていく過程だ。うつは「心の問題」だと思われがちだが、体とも密接に関わっている。

◾️その「休めない理由」は本物か?

ただ「疲れたら休めばいい」ということは誰もがわかっている。問題は多くの人は「休めない理由」「がんばり続けなければいけない理由」があることだ。

ただ、それは案外客観的に見ると単なる思い込みなのかもしれない。
「自分がいないと職場が回らない」
「人手が足りなくて休めない」
「子どもにこれからお金がかかる」

そんな理由で休むことに忌避感を持っているのなら、本当にそれが理由で休めないのかを考えてみることが大切だ。溢れかえっている自分のタスクを請け負ってくれる同僚がいるかもしれないし、人手が足りない職場では、みんなが誰かが「増員」を会社に求めてくれるのを待っているのかもしれず、休むことで状況が変わる可能性がある。「休めない理由」は、もしかしたら言い訳にすぎないのかもしれない。

「休めない」と決めつけず、一度考え直すのが、「がんばる自分」へのしがみつきをなくし、「休める自分」になるポイントだ。

些細なことでイライラしたり、家族に当たってしまったり、同僚のちょっとしたひと言がまるで自分を責めているように感じられてしまったり、あるいは眠りが浅かったり、食欲がわかなかったり。

こういったことはいずれも疲れているサイン。こうしたサインを感じとったらすぐに休む、というルールを自分に課してみるのもいいかもしれない。長くがんばり続けられる人は、必ずどこかで休んでいる。

力の抜きどころがわからない人やひたむきすぎる人、生真面目な人。すべての休むのが苦手な人が読むべき一冊だ。

(新刊JP編集部)

全部うまくいかないのはわたしが頑張りすぎるから 休めない人の心をゆるめる相談室

全部うまくいかないのはわたしが頑張りすぎるから 休めない人の心をゆるめる相談室

実は、ほとんどの悩みは「疲労」から始まります。
だからこそ生きづらさを感じたときに必要なのは、「心を強くする方法」でも「自己肯定感を上げる方法」でもなく、とにかく「何もしない」こと、つまり休むことです。

ただ忙しい現代人にとって休むのはとてもハードルの高いこと。
「休んだほうが状況が悪くなる!」と思う人も多いでしょう。

そこで本書では、本当は休むべきなのに休めない人たちに、“ちょうどいい”休み方をご紹介します。
ただ、休み方に「正解」はありません。
そのため、さまざまなケースを挙げて休み方のヒントを散りばめました。
きっとそのなかから自分に合う休み方が見つかるはず。

「頑張りたい!」というしがみつきを手放し、柔軟に生きるための考え方が身につく一冊です。

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