どの会社にもいる!「職場を腐らせる人」の正体
生活上の悩みの大半は、人間関係からくると言われる。特に職場の人間関係でトラブルや悩みを抱えてしまうと、それは生活全体に陰を落としてしまいがちだ。
そして、職場には自覚的にか無自覚かにかかわらず、そこにいる人々の士気を落としたり、不安を広げたり、不和を生じさせたりする人がいる。こうした人とのいかに付き合うか、いかに距離を取るかは、結構大事な問題なのである。
◾️どの会社にもいる!「職場を腐らせる人」の正体は?
こういう人はどこにでもいる。そのせいで周囲に重苦しい雰囲気と沈滞ムードが漂い、不和やもめごとが絶えなくなる。結果的に、みな疲弊していき、心身に不調をきたす方も増える。(『職場を腐らせる人たち』P3より)
『職場を腐らせる人たち』(片田珠美著、講談社刊)は、どこの職場にもいる、集団を腐らせてしまう人について、その性質を明らかにしていく。こうした人の言動によって心身に不調をきたす前に、彼らについて知っておくべきだ。
たとえば「自分の経験則でしか部下を指導できない上司」。自分が成功してきた手法は他人がやってもうまくいくと思い込み、部下に自分のやり方を押し付けてしまう。「ノルマが達成できないのは気合いも努力も足りないからだ」と力説する体育会系上司はその典型だろう。
自分がいちプレーヤーだった頃とは時代も経済環境も違うのだから、同じ手法が通じるはずもない。「自分があそこの大型契約をとった時は…」と過去の栄光ばかり持ち出す上司は要注意である。
また「完璧主義で細かすぎる人」は、職場の作業効率を落とし、「あれこれケチをつける人」は、頑張っている人のモチベーションを下げてしまう。「八つ当たりをする人」は周囲を萎縮させる。「他人のせいにする人」は周囲を苛立たせ、「不和の種をまく人」は職場を不安定化する。いずれも、職場にいるとメリットが少なくマイナスばかりが目立つ「職場を腐らせる人」である。
◾️「職場を腐らせる人」を周囲が変えることは不可能
本書では、こうした人々を変えることはほとんど不可能だとしている。それは
・たいていの場合自己保身が絡んでいる(自分の身を守ろうとする本能からの行動)
・根底に喪失不安が潜んでいる(現在の地位や収入を失う恐怖から自己正当化に走る)
・合理的思考ではなく感情に突き動かされている(嫉妬や羨望に突き動かされている)
・自分が悪いとは思っていない(無自覚の自己正当化)
の4つの理由によるものである。
では、こうした人たちといかに付き合っていくのか。あるいは、彼らによって「腐った職場」でどのように生きていくべきなのか。本書ではこうした問いに対しても心理学的見地からアドバイスをしている。
「職場を腐らせる人たち」は言ってみればモンスターのようなもので、人によっては共存が難しい。ならば距離を取るしかないのだが、そうもいかないこともあるだろう。それに、距離をとって逃げているだけでは事態の解決には繋がらないという問題もある。
職場の人間関係をいいものにしようと思ったら、彼ら「腐らせる人」への対策は必須。一読すると、「うちの課の○○さんじゃん!」「これ、○○部長だ」と自分の職場の「腐らせる人」が頭に浮かび、彼らとの付き合い方が見えてくるはずだ。
(新刊JP編集部)