ダイエットに勉強 「習慣化」を助けるメソッドとは
目標や夢を達成するには、日々の目立たない作業を完了することを習慣にすることが重要となる。ただ、日々コツコツ続けることが苦手という人もいるだろう。 そこで小さな習慣を定着させるノウハウを紹介するのが『すごすぎる小さな習慣』(児玉光雄著、三笠書房刊)だ。
本書では、長年にわたりプロスポーツ選手のメンタルカウンセラーとして活躍する一方、ビジネスパーソン向けの講演活動も精力的に行なっている追手門学院大学特別顧問の児玉光雄氏が、世界で活躍する成功者たちがこっそり実践している大きな差がつく小さな習慣を解説する。
■ダイエットに勉強 「習慣化」を助けるメソッドとは
小さな習慣を身につける方法は、とにかく反復することだ。たった5分間の小さな習慣も、それを1日も欠かさずに積み重ねると、1年間で30時間、10年間で300時間になる。たとえ小さな習慣でもいいから、同じ作業を同じ時間に同じ場所で行う。これが安定的に新しいスキルを与えてくれる方策となる。
しかし、いくら反復が大切だと頭ではわかっていても、そこは人間、気乗りしないときもある。小さな習慣をコツコツ積み上げていく際、乗らない気分を乗らせるちょっとした工夫が必要になる。
米ヴァージニア大学のデニス・プロフィット博士のグループは、学生を被験者にして坂道を上らせる実験を行った。学生たちを2つのグループに分け、実験前に陽気な気分になるモーツァルトの曲と、気分が塞ぐマーラーの曲を聴かせた。そして、これから上る坂道の角度を目の前にして「これから上る坂道の角度は何度くらいだと思いますか?」と質問した。モーツァルトの曲を聴いたグループは、坂道の角度を平均19度と見積もった。一方、マーラーの曲を聴いたグループは平均31度と見積もった。
陽気な気分を演出すれば、これから自分が取り組まなければならない作業がやさしく見え、憂鬱な気分で望めば、その作業は難しく感じられるのである。
これを実生活に応用するならば、気が乗らない単純作業や資料作成をするときには、鼻歌を歌ったり、その作業を終えたあとの自分へのプレゼントを設定する、といったところか。作業中でも陽気な気分になれる工夫をすれば、能率的に行えるようになるのだ。
小さな習慣は、仕事、勉強、ダイエット、子育てなど、日常のあらゆることに効果を発揮する。本書から小さな習慣を定着させるノウハウを身につけて、実践してみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)