あたりまえすぎて忘れがち!「呼吸」で心をリセットする方法
周りの人からどう見られるか、ということを気にしたり、誰かに教わって生き方を変えるのではなく、自分が納得する生き方をできたかどうかで人生の「納得感」は変わる。
本書『縁の扉をひらく』(Kan.著、フォレスト出版刊)では、古代より伝わるタオの教えを現代に伝え、クンルンネイゴン継承者のKan.氏が、自分が納得する生き方、人生と世界を考察し掘り下げるポイントを紹介する。
■日常生活で忘れがちな「呼吸」の重要性
さまざまな人とさまざまな価値観とともに、多くの制約の中で生きている。思うように行かなかったり、心がモヤモヤすることも多い。そのモヤモヤを引きずることなく、いったん断ち切る方法を知っておくべきだ。
その方法が、日常をリセットする基本の呼吸である。何らかの感情とともに思い出が蘇ったときに、目を閉じたまま息を吐いてみる。息を吐けば、自然と新しい息が入ってくる。折にふれて思い出し、繰り返し実践すると貴重な財産になる。
ここで注意すべきなのは、単に息をいっぱい吸い、吐けば身体に良い効果があるという錯覚。大切なのは、すべてのことは絶妙なバランスの上に成り立っているということ。生きていく上で大切なことは、酸素と二酸化炭素のバランス。息の吐き過ぎ、吸い過ぎは最終的に悪影響をもたらす。
この基本の呼吸に慣れたら、さらに3回呼吸をしてみる。目を閉じた状態から始め、まず息を口から吐き、そのままにする。すると自然に息を吸う。そして吐く。この呼吸を3回してから、目を開ける。
心と身体を結んでいるのは呼吸。しかし、心や身体が疲れてくると、質の良い呼吸ではなく、最低限の呼吸になってしまう。そんな時こそ、目を閉じて、今ある息を吹いて放っておく。それから肩を緩めて息を吸う。こうすれば、その人にとって害のない呼吸になる。生活の中で仕切り直しをしたいとき、取り乱したとき、この呼吸で落ち着くことができる。とにかく息を吐けば活路は開かれるとKan.氏は述べる。
仕事や私生活でうまくいかないことや心やモヤモヤするときは、基本の呼吸と3回の呼吸で、日常をリセットしてみてはどうだろう。怒りや不安、焦り、嫉妬といった苦しい感情や心のモヤモヤが少しだけ晴れるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)