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パフォーマンスは上がらない?タイムマネジメントの3つの真実

いつも時間が足りず、何かに追われている。やりたくないことに時間をとられすぎている。もっと有意義に時間を使いたい。時間に関する悩みを抱えている人は多いだろう。

スケジュール帳やToDoリストなど、定番の時間術を実践してみても、最初はいいけれど、結局また時間に追われるようになってしまい、長期的な効果を実感できないこともあるかもしれない。では、どうしたら上手な時間の使い方ができるようになるのか。

◾️時間術を駆使しても仕事のパフォーマンスはさほど上がらない

『YOUR TIME ユア・タイム』(鈴木祐著、河出書房新社刊)では、科学的根拠に基づき、時間不足を根本から解消し、有意義な時間を増やす方法を解説する。

世に伝わるタイムマネジメントの常識が、実際には明確な理由に基づかないケースがあるという。どれだけ最新の時間術を学んでみても、根拠が間違っていたら意味がない。世に出まわるタイムマネジメントの考え方から、誰もが間違いやすい3つの真実がある。

1.時間術を駆使しても仕事のパフォーマンスはさほど上がらない
コンコルディア大学などが2021年に、1980年代から2019年までに発表された時間術の研究から158本を選び、約5万3000人分のデータでメタ分析を行い、時間術でパフォーマンスが上がることもあるが、効果を実感できない場合もまた非常に多いという調査結果が出ている。さらに、時間術がもっとも効果を発揮するのは「人生の満足度」で、仕事のパフォーマンスより72%も影響が大きいという結果も出ている。

スケジューリングやタスク管理といった定番の時間術によってメンタルは改善されているが、実はパフォーマンスの改善レベルは低いのだ。

2.時間の効率を気にするほど作業の効率は下がってしまう
効率の重視によって逆に仕事の成果が下がってしまうケースは多い。その理由は、時間効率の追求が判断力を下げること。もう一つは、効率を目指して時間を意識すればするほど、良いアイデアを思いつきにくくなり、問題解決能力も下がる傾向にあること。

3.「時間をマネジメントする」という発想の根本に無理がある
テキサスクリスチャン大学のアビー・J・シップスは、個人の時間観がパフォーマンスに与える影響を調べたうえで、タイムマネジメントを重視することで、いっそう時間が不足しているという認識が生まれ、人生にとって本当に重要な活動をしなくなってしまう問題を指摘している。

もともと物理的な時間のコントロールには天井があるのだから、そこからさらに上を目指そうとしたら、時間以外の対象を管理するしかなくなる。1日の長さは皆24時間しかないため、いかにうまくスケジューリングしても、おのずと限界がある。タイムマネジメントという発想そのものの根本に無理があるのだ。

本書では、時間術がなぜうまく使えないのかという問題を科学的な原因と対策の方向性を解説し、時間の正体を理解し、時間をうまく使うための具体的な技法や時間術のポテンシャルを正しく引き出す方法を紹介する。やみくもに時間術を実践するのではなく、有意義な時間を増やす方法を実践することで、時間の使い方の悩みを解消できるかもしれない。

(T・N/新刊JP編集部)

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この記事のライター

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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