だれかに話したくなる本の話

江戸時代に起きた「読書ブーム」きっかけとなった有名人とは?

『浮世絵と芸能で読む 江戸の経済』(櫻庭由紀子著、笠間書院刊)

260年あまりにわたった江戸幕府は、幕府も庶民も武士もおおむねお金がなかった。だからこそ幕府は貨幣制度に始まり、農商業の促進、流通システムの整備、米価の調整、倹約の徹底など、どうしたら経済が回るのかを考えた。どうにもならずに貨幣の改鋳を繰り返し保ってきた経済はやがて限界を迎え、破綻に至る。

そんな幕府の右往左往に振り回される庶民たちは、歌舞伎や落語、出版メディアといった独自の文化と商業を通して社会経済を活写した。江戸のサブカルは公儀権力と庶民の攻防戦の記録とも言えるのだ。

浮世絵と芸能で読む江戸の経済

浮世絵と芸能で読む江戸の経済

浮世絵や歌舞伎、落語や着物・陶芸といった文化から、江戸時代260年+αの経済の歴史がわかる!
多数の図版と巻頭のカラー口絵などを交えながら、大きな流れをわかりやすく解説します。

※記事で取り上げている書籍を購入すると、売上の一部が新刊JPに還元されることがあります。