ストレスや不安を軽減する「書く瞑想」とは
将来やお金のことで不安や心配事ばかり考えてしまったり、イライラしてしまったり、日々忙しくて頭の中を整理できないことは、誰にでもあるだろう。そんなとき、思考と感情を整理したり、不安やストレスを軽減するためにおすすめなのが、ペンとノートを使う「書く瞑想」だ。
■メンタルヘルスのために知っておきたい「書く瞑想」
『書いて整える1分間瞑想ノート』(吉田昌生著、フォレスト出版刊)では、一般社団法人マインドフルネス瞑想協会代表理事、 株式会社Melonチーフマインドフルネスオフィサーの吉田昌生氏が、1分間集中して頭の中をノートに書き出すことで、瞑想と同じもしくはそれ以上の効果を得られる「書く瞑想」の方法を紹介する。
書く瞑想で用意するものは、ノート、ペン、タイマー。そして、机と椅子に座り、心を整える。書く瞑想には、3つのステップがある。
ステップ1「頭の中を書きだす」
最初に行うのは「頭の中にあるものを書き出す」1分間のフリーライティング。自分の頭に思い浮かんだこと、感情、気になっていること、不安なこと、楽しみなこと、やらなくてはいけないことなど、頭の中にあるものを考えずに1分間、手を止めずに書き続ける。コツは、頭のスイッチをオフにして、考えないで1分間書き出してみること。
ステップ2「ひとつ選んで深掘りする」
ステップ1で書き出したものを眺めて、新しく感じたことを書き、いくつか出てきた中でひとつ選んでさらに深掘りする。その選んだひとつを再度1分間深掘りの書く瞑想をする。今度はただ書き出すだけではなく、「気になっていることは何か」「最悪の場合どうなってしまうか」「どうなったら最高だろうか」など、より具体的に思いつくままに掘り下げて書き出していく。ひとつのテーマを深掘りしていくと、奥深くにある本質が見えてきて、具体的な解決策や真理に辿り着くこともある。
ステップ3「テーマ×質問する」
基本的にはステップ1とステップ2で書く瞑想は完了。日々「書き出し」と「深掘り」の2つを行なっていく。「書く瞑想をやっていても深まらない」「何を書いたらいいかわからない」と思ったときに、おすすめなのが「自分に質問すること」だ。「自分が本当にやりたいことは?」「今週やるべきことは?」など、1分間書く瞑想をするテーマを設定し、自分に質問する。問いかけることで、脳は必要な情報を探し始め、気がつきやすくなる。
ステップ1~3のポイントは「考えないこと」「ジャッジしないこと」だ。量より質というイメージで、自分が感じていること、考えていることをありのままに書き出すことで、自分の心を客観的に見ることができる。このように自分の心をありのまま見ることを「マインドフルネス」という。
書く瞑想をすることで、自分自身の思考や感情のパターンが見えてくるだけでなく、それに対して、何を手放し、どのように行動していくか、という具体的な行動改善につなげていくことができる。ノートとペンとタイマーだけ用意すれば、書く瞑想はすぐに始めることができる。不安やストレス、イライラを軽減するためにも、書く瞑想を実践してみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)