「今の時代英語くらいできないと…」という考えがまずいワケ
英語の勉強をしても成果が出なかったり、挫折してしまった経験のある人は多いだろう。英語を学び、しっかりと身につけている人はどんなやり方をしているのか。
『やっぱり英語をやりたい!』(鳥飼玖美子著、幻冬舎刊)では、立教大学名誉教授、NHK『太田光のつぶやき英語』講師の鳥飼玖美子氏が、英語学習者の多くが抱くであろう切実な疑問に鳥飼氏が答える形で、英語上達の秘訣を紹介する。
■「今の時代英語くらいできないと…」という考えがまずいワケ
英語にかぎらず、学習・勉強に置いて挫折はよくあること。学び続けるためにモチベーションを保ち続けることが英語上達へのカギである。
モチベーションとは、日本語で「動機付け」のこと。何かのきっかけがあって触発され、自ら「これをやりたい」「学びたい」と行動するにいたる。目的意識がないと学び続けることはできない。
英語学習でありがちなのが、「今の時代、英語くらいできないとまずいかも」となんとなく思うこと。肝心の自分自身にとって切実な目的があるわけではない。こういう漠然とした気持ちだと、動機付けが弱いので長続きしない。そもそも学習の目的は、本人が見つけること。「なぜ英語を学びたいのか」「何のために英語を学ぶのか」というのは自分自身が考えることで、それさえしっかりしていれば、意欲が生まれて学習法も自分で工夫するようになる。目的が見つかれば、それが動機付けとなり、意欲が生まれ、行動を推進することになるのだ。
英語力は「読む力」「聞く力」「書く力」「話す力」のそれぞれが関連して連動しているので、どれか一つを取り出して「これだけが大事」とは言えない。英語力を高めるには、この4つのどれもが大事。ただし、「聞く」「書く」「話す」のいずれも、「読むこと」が土台となる。「私は会話さえできるようになればいいので、読む力のためにあまり時間をかけたくない」というのは間違い。
なぜ「読む力」が英語力の基本となるのか。リスニング力を上げようと思っても、使われている単語や語句を知らなければ聞き取れない。語彙を増やすには、まず「読む」こと。質のよい英文をたくさん読んで、自分で文章を書いてみる。そして、その語彙を使って話してみる。回り道のようでいて、これが英語を高める結果につながる。
一度挫折したけれど、もう一度挑戦したい。大人になってから英語を学びたい。そんな人は、本書の英語学習法を参考に実践してみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)