だれかに話したくなる本の話

忙しい人必見!時間がない中でアイデアを生み出す方法

小説や音楽、あるいは絵画やイラストなど、あたためているアイデアをカタチにしたいけど、実現するスキルがない。仕事や家事が忙しくて、アイデアを考える時間がない。そんな悩みを抱えて悶々としているなら、その「ない」を武器にしてみてはいかがだろう。

アイデアを考える際、「ない」ことと向き合うことは怖いが、「ない」を直視したときに覚悟が決まるもの。すると、逆境や制約が味方となり、良いアイデアに辿り着く瞬間へと導いてくれる。

制約の多い仕事や人生でアイデアをカタチにする法則を教えてくれるのが、『制約をチャンスに変える アイデアの紡ぎかた』(堤藤成著、ぱる出版刊)だ。

◾️自らのクリエイティヴィティを信じよ

本書では、電通出身のコピーライターの堤藤成氏が、制約をチャンスと捉え、アイデアを導き出すメソッドを紹介する。

現代は変化が激しく、ネットに溢れているアイデアやテクニック、裏ワザといった情報に飛びついても、すぐに陳腐化してしまう。なので、大事なのはアイデアにおける人生観、正しいアイデア観を身につけること。本来は誰もがクリエイティビティを備えていて、アイデアは自分の身の回りで発見される瞬間を待っている。まずは自分の中に「クリエイティビティはある」と心から信じること。こうした自分の意識の創造性を信頼し解き放つことが、正しいアイデア観を持つということだ。

人は才能、お金、時間など、それぞれが置かれた制約の中で人生をやりくりしなければならない。つまり、制約を制するアイデアが人生を制すとも言える。アイデアをカタチにするためには、まず何をしてはダメか、どこまでのことなら許されるかを事前に把握する必要がある。いくら理想的なアイデアでも、現実的に求められるお金や時間の制約をクリアできなければ、カタチになることはない。

この品質・お金・時間の制約を英語ではQCDと呼ぶ。QCDとは、Q(クオリティ=品質)とC(コスト=お金)とD(デリバー=時間)の頭文字を表している。品質とお金と時間の3つの要素は、トレードオフの関係になることが多い。そして、アイデアがカタチにならないほとんどの原因がQCDでもある。顧客や上司などと求める品質や予算、納期が大幅に食い違うことで、そのプロジェクトが続けられなくなり、結果としてアイデアは日の目を見なくなってしまう。このQCDのトレードオフを踏まえた上で、アイデアの実現のためにはQCDのどの要素を優先するかについて順位を整理すること。そして、制約に合わせてチームやプロジェクト自体が和を大切に助けあることが、アイデアを実現するカギとなるのだ。

制約をチャンスに変え味方にすることで、アイデアはカタチにすることができる。コピーライターとして活躍している堤氏のアイデアの紡ぎ方を実践してみてはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)

制約をチャンスに変える アイデアの紡ぎかた

制約をチャンスに変える アイデアの紡ぎかた

お金がない・時間がない・スキルがない
だからこそアイデアは実現できる!

アイデアをカタチにするには、必ずしもお金・時間・スキルがなくても大丈夫。むしろ、そういった制約があるからこそ、実現できるのです。
――本書では、電通出身のコピーライターが制約をチャンスと捉え、アイデアを導き出すメソッドを紹介しています。

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この記事のライター

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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