だれかに話したくなる本の話

婚活市場でのアラフィフ男性の「本当の価値」

インターネットとスマホが普及したおかげで、「出会い」は手軽になった。マッチングアプリで出会い、交際することになったカップルは数限りなくいるし、出会いのきっかけはインターネット上のコミュニティのオフ会だったという夫婦も珍しくない。

しかし、こうした恩恵を誰もが受けられるわけではない。
とくに「アラフィフ」以上の中年男性の婚活を待ち受ける厳しい現実を指摘しているのが『中年婚活 50歳、年収450万円からの結婚に必要な30の法則』(中村淳彦著、大洋図書刊)である。

■「おじさんはモテる」は勘違い

45歳を超えれば誰だって白髪は増え、体力は落ち、肌のつやもなくなっていく。本人だってそれはわかっているのに、つい「おじさんはモテる」「経験を重ねた年上男は、頼りがいがある」といった、ごくごく一部のおじさんにだけあてはまる風説に自分を重ねてしまう。しかし、その幻想に浸っている限り、中年男性に「いいご縁」は訪れない。

本書では、婚活において中年男性の需要は少ないことを自覚することを促し、そこをスタートとして、「ではどうすれば婚活が成功するのか」を解いていく。

上述のように、婚活市場において中年男性の需要は限りなく少ない。それでも、良縁を求めるのであれば「ありのままの自分でいたい」という願望は捨てることだ。相手に選ばれなければいけない以上、少しでも選ばれやすい男性に自らを変えていくことが求められるのである。

その最大のポイントが「若い女性を狙わないこと」である。アラフィフの男性が20代のパパ活女子とデートできるのは、それがパパ活だから。恋愛に発展することはほとんどない。本書では、結婚適齢期の女性たちが、この年代の男性と結婚するメリットは何もないと指摘。結婚とはあくまで「等価交換」だと説いている。

婚活市場で男性は28歳~30歳をピークにして、年収は高いほど価値があると判断される。31歳以降からだんだん価値は低下して、アラフィフは婚活市場では最低スペックという評価になるのだそう。結婚は年齢のみで決まるものではないが、少なくともアラフィフ男性と一回りも二回りも下の女性は「等価」にはなりえない。それをわかったうえで婚活市場での自分の価値をいかに高めるかが勝負ということだ。

それでも「若い女性がいい」という人は、こんな目安を参考にしてみよう。 「年齢差=年収×100万分の1」 つまり年収600万円で47歳の人であれば、6歳下、つまり41歳の女性までは結婚相手として選ばれうるということ。ただ年収2000万円なら20歳下の女性から選ばれうるのかというと、かならずしもそうではないことも知っておくべきだろう。

何事も自分の「現在地」を知るところがスタートとなる。婚活もまたしかりで、自分の価値と自分を取り巻く環境について知ることが第一歩。それは辛いことだが、結果につながる「正しい努力」はそこからしか生まれない。

中年男性は対象になる女性の選択、お金の使い方、プロフィール写真や文章、立ち振る舞い、会話、服装、日常生活、考え方など、婚活に必要とされる要素のすべてに間違っていない行動が必要となってきます。(本書P10より)

自分を知ったうえで何ができるのか。中年男性にとっては耳の痛い話であふれている本書だが、その痛みを乗り越えた人にとっては、励ましとアドバイスに満ちた優しい一冊でもある。

(新刊JP編集部)

中年婚活 50歳、年収450万円からの結婚に必要な30の法則

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