ナイツ塙の風変わりな義父・「静夫さん」ってどんな人?
漫才協会副会長であり、お笑いコンビ「ナイツ」の塙宣之さん。
売れっ子だけに気になる私生活だが、都内の一軒家に、奥さんと3人の子供、そして奥さんの両親と同居する二世帯暮らしをしているという。塙さんの義父さんの静夫さんは、奄美出身の77歳。東京で自動車教習所の指導教官やタクシーの運転手をしていたが、数年前に脳梗塞になり、足腰を悪くして糖尿病も患い、今は隠居暮らし中なのだそう。
静夫さんは、四季を通じて股引にランニングを着用し、性格は頑固でしつこい。まだ陽の昇らない早朝にひとり起き出し、いつ眠っているのかも家族にはわからない。理解不能だが個性的な人物である。
■ナイツ塙がたびたび話題にする風変わりな義父
そんな静夫さんとの暮らしを塙さんが綴ったのが、『静夫さんと僕』(塙宣之著、徳間書店刊)だ。
塙さんの同業者で静夫さんのファン第一号となったのがタレントの清水ミチコさんだ。毎週木曜「ラジオビバリー昼ズ」(ニッポン放送)で10年ほど共演している塙さんと清水さん。放送開始前の雑談での静夫さんの話から始まり、「静夫さんの話、何かない?」と清水さんから振られるようになり、放送本編のトークでも紹介するようになった。するとリスナーからも「静夫さんは面白い!」「もっとエピソードが聞きたい!」とたくさんの声が届くようになったという。
皆から人気者の静夫さんはどんな人物なのか。静夫さんの大好物は、サッポロ一番の袋麺の醤油味。塙さんはそれを「ポロイチ」と呼んでいる。具は卵だけでラーメンは2玉、卵も2つ入れ、ジャンボラーメンにして食べている。主食はポロイチと豚肉で、野菜は一切食べない。唯一食べられる野菜はマヨネーズを大量にかけたアスパラガスだけだ。
ほぼ毎日ポロイチを食べているので、ポロイチの空き袋が大量に出る。静夫さんはこのポロイチの空き袋を庭の植木の枝に何枚もぶら下げ、カラス避けとして有効活用している。あまりにも間抜けな光景だったので、塙さんがTwitterに上げて見たら、1500以上の「いいね」がついたという。
どこの家庭にも静夫さんのように、年季の入った変わり者だけれど、なんだかんだ結局愛されているお父さんはいるだろう。塙さんと静夫さんのエピソードから、共感したり、ほのぼのした気持ちになるだけでなく、周囲にいる個性的な人のことに思いを馳せることにもなる一冊だ。
(T・N/新刊JP編集部)