だれかに話したくなる本の話

中小企業に人事評価制度は必要か?コンサルタントが語るその意味合い

白潟総合研究所代表取締役社長の白潟敏朗さんと同社取締役の石川哲也さん

「人事評価制度があれば、従業員がやる気を出すはず」
こんなことを考える経営者は、特に中小企業、ベンチャー企業に多い。この制度によって人事評価の基準が透明化され、昇給するには何をすればいいのかが明確になるため、従業員は仕事に励むようになる。そうなればきっと業績も向上するはずだ。経営者は頭の中でこんな皮算用をする。

『中小ベンチャー企業を壊す! 人事評価制度 17の大間違い』(白潟敏朗著、すばる舎刊)は中小ベンチャー企業経営者のこんな期待を一蹴する一冊。人事評価制度にまつわる誤解を指摘し、その性質と本来の導入の意味を解いていく。

なぜ人事評価制度はこうも経営者の期待を集めるのか。今回は著者である白潟総合研究所代表取締役社長の白潟敏朗さんと同社取締役の石川哲也さんに、この背景について語っていただいた。後編では「人事評価制度はそもそも必要なものなのか?」という根本的な疑問に迫る。

中小ベンチャー企業を壊す! 人事評価制度 17の大間違い

中小ベンチャー企業を壊す! 人事評価制度 17の大間違い

人事の分野には、さまざまな誤解や勘違いが蔓延している。
「人事評価の仕組みを上手くつくりさえすれば、社員の能力や会社の業績が伸びていく」とか、「人事の仕組み次第で社員のモチベーションを上げられる」といったことがよく言われるのだが、長年多くの会社で人事を見てきた著者に言わせれば、これらはよくて「勘違い」、悪くすれば「人事コンサルの悪質なウソ」なのだとか。 本書では、人事評価制度に関する17の「よくある勘違い」を示しながら、等身大で過剰な期待を廃した「人事制度に関するホンネ」をリアルに解説します。