52歳まで独身 小林一茶にみる「孤独との付き合い方」
俳人・小林一茶はいつも孤独だった。
3歳で実母を亡くし、継母によって15歳のときに生家を追われ、江戸で奉公することになる。極貧の生活を過ごし、52歳で結婚したが、相次ぐ妻子との死別によって再び独りぼっちになる。最後は大火で母家を失い、土蔵暮らしのなか、65歳の生涯を閉じる。平均寿命が36歳だった時代に65歳まで生きた一茶は今に置き換えれば90歳以上の長寿を全うしたといえる。
人は長生きすればするほど、病いや近しい人との死別などの苦しみを背負うことになる。これは「人生100年時代」とされる現代にも通づるところがあるだろう。
苦しみの中でこそ、人間は試される。一茶は貧しさ、揉めごと、病気、老い・・・すべてを俳句にして楽しんだ。