だれかに話したくなる本の話

相手からの印象がガタ落ちする「やってはいけない話し方」とは

どんな人間関係でも礎となるものがコミュニケーションだ。どのような言葉を掛けるか、どのような話し方をするのか、どのように相手の言葉に反応するのか、それによって相手からの印象はまるで変わる。

それは、相手から好印象を持たれる話し方がある一方で、相手に悪印象をもたらす話し方があるということ。初対面の人と話すとき、上司が部下と話すとき、気になる人と話すとき、その悪癖が出てしまうと、相手の心はあなたから離れていってしまうかもしれない。

15万部のベストセラーである『世界最高の話し方』の著者で「伝説の家庭教師」の異名を持つコミュニケーションのプロ・岡本純子氏による『世界最高の雑談力』(東洋経済新報社刊)は、どんな人でも「会話」に困らなくなり、相手に好印象を与えられるテクニックが公開されている一冊。発売3日で3万部を突破し、オーディオブック版も配信されている。

本書には会話をするときにやってはいけないNG言動もしっかり網羅されている。

■相手との関係を築きたいなら、自分の話は控えよう

たとえば、あなたは誰かと話しているとき、相手の話を聞かずに自分がしたい話ばかりしてはいないだろうか。

岡本さんによれば、人間は基本的には「自分の話を聞いてほしくて仕方がない動物」。自分の話が聞かれているという状態は「自分の存在が認められている」ということであり、それを快く思わない人はいないだろう。

ただし、その話は本当に相手が聞きたい話かどうかは別だ。あなたは自分のしたい話ができて快感かもしれないが、相手にとっては苦痛である可能性もある。 だから、その人と良好な関係を築きたいのであれば、まずは相手の話を聞いてあげることが大切だ。そして相手を快楽ホルモンで包み込み、いい気分にさせて、好感度を上げるのだ。
岡本さんは次のようにまとめる。

まずは上手に質問をし、相手に話をしてもらいながら、自分の話を織り交ぜるというのが、雑談の基本形であり理想形なのです。(『世界最高の雑談力』より)

自分の話ばかりしていることを自覚しているなら、それを控えめにすることから始めてみよう。

■「僕も」「私も」は会話泥棒になりやすい

また、自分の話ばかりしてしまう人に見られるもう一つの話し方が、相手の話題に対して「僕も」「私も」という風に盗んでしまうというものだ。

岡本さんによれば、つい何でも自分の話をしてしまう人を、あるアメリカの社会学者は「会話ナルシスト」と名付けたという。
「僕も」「私も」という言葉で共感の気持ちを表しているだけかもしれない。しかし、実際は自分の土俵に話を持ち込んでしまっている。確かに自分も話せる話題が出てきたら、話したくなるものだが、雑談や会話を気持ちよく進めるためには、気持ちを100%相手に向けることが大切となる。

岡橋さんは次のように述べる。

相手はどんな話をしたいのか。
質問と傾聴を通じて、相手の「鉱脈」を探し当て、ネタを掘り出していくという感覚のほうが、雑談や会話はうんとうまくいきますよ!(『世界最高の雑談力』より)

相手の話を聞いていて「僕も」「私も」が口から出そうになったら要注意。相手の話の腰を折ってしまうかもしれない。

ここで紹介したのは、50のルールのうちの2つ。話の聞き方、質問の仕方、相手に好印象を持たれるフレーズをはじめ、自分と相手、両者が気持ちよくコミュニケーションを取るための方法があますことなく本書で解説されている。

読み進めていくと、「今日からこれを意識してみよう」「これやっていたから今度は直そう」など、自分のコミュニケーションを見直すことになるはず。そして、正しい会話の仕方を学んで実践してみると、ポジティブな変化を実感できるだろう。

(新刊JP編集部)

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