結果を出し続けるシリコンバレーの人たちにとっての「勉強」とは?
圧倒的な成果を出し続けている人は一体何が違うのか。
その答えの一つは、彼らが「学び続けている」ということだろう。特にシリコンバレーに集まるビジネスエリートたちは、「遊ぶように学んでいる」という。知識を詰め込むのではなく、体験し、経験することを大事にしているというのだ。
シリコンバレー在住14年、元サンリオ常務取締役の鳩山玲人氏は、著書『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』(幻冬舎刊)の中で、シリコンバレーでの「勉強する」「学ぶ」は「スタディ」よりも「エクスペリエンス(経験)」「ラーニング(学習)」のほうを使う場面が多いと述べる。
そして、この学び方は日本で生きる私たちでも実践可能であるという。
■転職は最高のラーニングの機会
では、どんな学び方があるのか。その方法の一つとして鳩山氏がおすすめしているのが「転職」だ。
「転職」は見方を変えれば、「新しい環境に入ること」。つまり、新しい環境を経験し、学べるうってつけの機会と言えるのだ。また、新しい職場で新しい人たちと出会うことができる。そこで刺激を受ければ、経験値がどんどん引き上げられていく。
以前と比べると身近になったとはいえ、まだ転職に抵抗を感じている人もいる。鳩山氏はそうした状況を「とてももったいない」と感じており、同じ会社で長く働くことで、成長スピードが鈍化している人も多いのではないかと危機感を覚えている。
また、転職は自分の価値を客観的に棚卸しするよい機会となる。実際に鳩山氏も、サンリオを離れたことで自分の価値を見つめ直すことができたと述べる。
シリコンバレーでは「転職」と「ラーニング」と「キャリアアップ」はセットだ。
もし、「進みたい道がない」「勉強といっても何から手をつけていいのか分からない」と停滞を感じているなら、転職を真剣に検討したほうがよいと鳩山氏はつづる。
■仕事に関連する本はすべて目を通す
「エクスペリエンス」や「ラーニング」は大事だが、もちろん「スタディ」も大事だ。特に若手のビジネスパーソンにとっては地道な勉強が重要だと鳩山氏はつづる。そこで勉強をしたことが、ビジネスの足腰を鍛えることにつながるからだ。
たとえば、就職や転職、社内異動などのタイミングでは、職場の外部環境について一通りの情報を洗い出してチェックする。入った後は部署内にある本や資料すべてに目を通す。
仕事に関連している本に目を通すことも大切だ。私たちの目の前にはたくさんの情報があるが、「いつでも目を通せるのだから、必要になってから調べよう」ではなく、あらかじめ目を通しておいて、自分が置かれている環境や取り組むべき仕事の全体像を頭の中に入れておく。そうすることで、仕事のアウトプットの質を確実に上げることができるのだ。
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本書には鳩山氏の考える「学ぶ」ということの意味、学び続ける方法、活躍し続ける人になるための考え方が書かれている。
結果を出している人たちは、常に自ら学ぶという姿勢を決して崩さない。もし人生に停滞を感じているときは、鳩山氏がおすすめする「転職」をしてみてもいいのかもしれない。失敗も経験。新しい環境は刺激をもたらすはずだ。
(新刊JP編集部)