部下が自ら動いて成果を出すために、上司がまず理解すべきこと
「今のチームで目標の数字を達成しなければいけない」というプレッシャーを抱えながら、部下をどのように扱えばいいのか悩んでいる上司は多いのではないだろうか。
そもそも上司と部下では、働く目的が違う。上司をはじめとした会社側の目的は「売上・利益」であっても、部下の働く目的はそうとは限らない。多くの部下は、会社ではなく自分のことを考えているだろう。
社員の働く目的は「お金が大事」「自分の時間が大事」「キャリアが大事」と、大きく3つのタイプに分かれる。
部下の「働く目的」を上司が理解し、それに沿った働き方を大切にできるように応援すると、部下は上司やチームの目的を大切にしてくれる。そのためには、上司が個々の部下の「働く目的」をしっかり認識しなければならないのだ。
そんな部下への接し方から、指示なしで動くチームのつくり方を紹介しているのが『指示なしで動くチームの作り方』(吉野創著、ぱる出版刊)だ。
■「自分の時間」を大事にする部下への寄り添い方
前述の3つの働く目的のうち、「自分の時間が大事」という部下には、どう寄り添えばいいのか。
「時間が大事」な人は、自分の時間ももちろん大事だが、実は仕事の時間も大切にしようと考えているという。仕事とプライベートのメリハリをつけたいと思っているのだ。そして、自分の役割に対する責任感が強く、1日の時間をすべて自分でコントロールしたいという意識を持っている。
そんな自分自身のスケジュールを何よりも大切にしている部下に対して、配慮のない扱いをすると、部下からの信頼を失ってしまう。だから、仕事を依頼するときには、いつも十分な余裕を持って依頼するということを心がけよう。
その時には「ぎりぎりの日程の中で無理を言って申し訳ないんだが」など、配慮する一言を必ず忘れないこと。
また、「時間を大事にする人材」は効率的な時間管理の視点から、グループウェアの活用を人一倍やっていることが多い。その活用法を社内のミーティング時に披露してもらうのも良い方法だろう。
そうやって、自分自身の時間を大切にする姿勢から、チーム全体の時間に目を向けさせるようにしていく。チーム全体の底上げをするために、自分の時間管理法が活かせるということを体感してもらうことが大切だ。
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目標を達成するために組織やチームの方針に合わせるよりも、自分の価値観に沿った働き方で給料を得て、やりがいを感じたいと思っている部下は多いはず。
まずは、上司は自分の認識の違いに気づき、部下とのコミュニケーションのやり方を変えていかなければならない。そうすることで、チームも変わっていくはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)