スポーツドクターが指摘 パフォーマンスが落ちるランチの食べ方とは?
「無理してがんばらなくても大丈夫」「自然体のままでいい」という考え方が浸透し、世の中は人に対してずいぶん優しくなった。思えば30年ほど前までは「24時間戦えますか?」と問いかけるCMが当然のように流れ、猛烈に働くことは美徳とされていた。
24時間働く必要など今はもうどこにもないのだが、それでもやはり「がんばり時」や「アクセルを踏まないといけない時」はある。周りが無理をしなくなったからこそ、少しの無理をすることで周囲と差をつけられると考える人もいるだろう。がんばるべき時、がんばりたい時にがんばれる自分でいることは、現代でも30年前でも大切なことのはずだ。
■ストレスは「感覚」を信じるな 可視化せよ
『突き抜けるコンディション革命』(小林弘幸著、ワニブックス刊)は、無理してがんばらなくてもいい時代にがんばりたい人のために、パフォーマンスを最大まで高めるコンディショニング方法を紹介していく。
現代人の大敵と言えば「ストレス」であり、ストレスに由来する心身の不調だ。そのストレスに対して、本書では「感覚」よりも「可視化」が大事だとしている。自分では何とも感じていなくても、ストレスによって自律神経のバランスが乱れていて、何かのきっかけで心身の不調が出ることは少なくない。感覚に頼りすぎるのは禁物だ。
ウェアラブル端末やスマホアプリなど、自律神経の状態を可視化できるツールを利用することで、知らぬ間に調子を崩すという事態は避けられる。
■パフォーマンスを落とすランチの食べ方とは
また、コンディションを整えるうえで欠かすことができないのが食事。何を食べるかはもちろん大切だが、意外に見落とされがちなのが「食べ方」だ。
特にランチはコンビニで買ったパンなどを牛乳で流し込むように食べている人と、温かいものをゆっくりよく噛んで、友人や同僚と会話しながらのんびり食べる人とでは、長期的に見るとパフォーマンスが大きく異なる。
食べたものが胃腸に入ると、自然に副交感神経が高まり消化・吸収が始まるが、流し込むように急いで食べると交感神経が高まり、逆に副交感神経が上がりにくくなってしまうという。胃腸に負担がかかる食べ方なのだ。
忙しさに少しでも体を休めたい気持ちもあいまって、ランチ休憩は食事をできるだけ早く済ませたくなるものだが、忙しい時ほど食事はゆっくり、が長期的にパフォーマンスを高めるためにはベター。胃腸に負担のかかる食べ方は極力さけた方がいい。著者でありスポーツドクターの小林弘幸氏は特に腸のコンディションの重要性を訴える。
腸のコンディションさえ整っていれば、免疫力は高い状態が保たれます。そうであれば、少々体に無理をかけても、ダウンすることなく乗り切ることができるのです。(P95より)
無理をしてもがんばらなければいけない時にがんばるため、ふんばりどころでふんばるためには、健康でいることが大前提。そして健康とは胃腸を抜きに語れないのだ。
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がんばりたい時に少々無理をしてもあとでしわ寄せがこない頑丈な心と体を作るための方法が、本書には多く紹介されている。
強い心身は何にも勝る財産。やりたいことを思い切りやるために、出したい成果を出すために、本書から得られるものは多いはずだ。
(新刊JP編集部)