だれかに話したくなる本の話

フェイクニュースに騙されない!個人ができる対処法

インターネット、SNSでさまざまな情報を簡単に得られるようになった便利さを享受している一方で、フェイクニュースやデマを信じてまちがった判断をし、まちがった行動をとってしまう危険も増している。

「洪水」とも評される多種多様の情報の中から、正しい情報、自分に価値のある情報を取捨選択しながら得るには、それなりにスキルが必要だ。そのスキル、つまり情報の選球眼はどう磨けばいいのか。

■デマやフェイクニュースに騙されないために個人ができること

『情報の選球眼 真実の収集・分析・発信』(山本康正著、幻冬舎刊)では、投資家の山本康正氏が実践する情報の収集・活用法を紹介。真実を見極める眼と利益を最大化する思考力の養い方を解説する。

まず、情報の価値はその情報が生まれた源水にある、という大前提がある。
情報の価値が一番高いのは発信者自信が現場で見聞きした一次情報だ。第三者を介して知った情報や一次情報を加工したのが二次情報、さらに加工すると三次情報となっていく。インターネットでは、この二次情報、三次情報がものすごく多い。鮮度が最高の状態であり、加工されていない生の情報やその情報発信者の一次情報を探せ、というのが、情報の取捨選択の最大のポイントだろう。

では、数多くのメディアがあり、情報で溢れている中、どのように価値ある情報を選別すればいいのか。そのためには、物事の物理原則やファクト、基礎的な知識を普段からつけ、アンテナを立てておくことが大切だ。新しい情報が出てきたときに、この先価値ある情報になり得るのか、自分なりに仮説を立てるなど、シミュレーションする癖をつけておくことが重要になる。情報を見るための基礎知識さえ持っていれば、膨大な情報に埋もれた中から、自分に本当に必要な情報を見つけることができる可能性は高まる。

メディアから情報を得る際には、分野、テーマごとにそれらに精通した記者をピックアップしておくことも質が高い情報を得るために有効だ。「この記者は信頼できる」という人をさまざまな分野で見定めておくということだ。記者の評判は、インタビューを受けた複数人の人からの情報にあたるなどして、偏りを減らし、把握することが理想。

専門家や企業の話を聞いて記者が書いた記事を読む場合、取材を受けている側のアカデミックな学位やどのようなキャリアを積んでいるのかもチェックする。そして、取材対象やとの関係性を見ること。利害関係やライバル関係にある間柄では、何らかのバイアスが生まれることが考えられるからだ。ネットで記者のバックグラウンドを検索するだけでも、ある程度、情報の価値は担保されると著者の山本氏は述べる。

どの情報が正しいのか、間違っているのかの判断は難しく、自分自身にも知識が必要だ。そして、どんなに策を講じても完璧とはいかない。けれど、本書から情報を選別する眼を養うことで、自分で正しい判断ができる可能性は高まるはず。情報に振り回されないためにも、真実、価値のある情報を見極めるノウハウを身につけてはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)

情報の選球眼 真実の収集・分析・発信

情報の選球眼 真実の収集・分析・発信

手を出すべきではない無数の虚偽情報が世の中に存在する。経営や投資において、フェイクや誤報を元に判断を下せば損失は免れない。

だが、一方でスイングをしなければ利益を摑めない。ビジネスでは正しい情報が10あっても、大成功に結び付くのはたった1つ。

トッププレイヤーでも1割以上の成功率を得るのは困難だが、彼らはその10の好機を見逃さずにバットを振り続けている。

本書では投資家である著者が、自ら実践する情報の収集・活用法を指南。真実を見極める眼と、利益を最大化する思考力を養う一冊。

この記事のライター

現在調査中…

T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

このライターの他の記事