だれかに話したくなる本の話

優れた血統を残し、劣った血統をなくす。世界を動かした「優生学」の正体とは

『14歳から考えたい優生学』(すばる舎刊)

優れた血統を残し、劣った血統をなくすことで、人類全体の質を向上させる。
この「優生学」という思想は、かつてナチス・ドイツの政策に取り入られ、大量虐殺を招いたことから、第二次世界大戦後からは「タブー」として扱われている。

では、「優生学」の思想は消失してしまったのか? その問いに対して「イエス」とは言い切れないだろう。姿かたちを変えて、今なお、この世界に根強く残っている。
20世紀前半、優生学は国家の暴走の一端を担った。それをまた起こさないためにも、私たちは「優生学」とは何たるかを知る必要がある。

14歳から考えたい 優生学

14歳から考えたい 優生学

前世紀、世界各地で政治をまきこむ運動となった優生学。その短くも変化にとむ歴史をひもとき、優生思想の呪縛がいまだに私たちをとらえてはなさない実態を明らかにする。