本当に公平か?「実力主義」の残酷さ
性別や民族、人種によって人生のチャンスに差が生まれたり、経済力に格差が生まれる社会についてどう思うかとたずねられたら、多くの人は「よくない」と答えるはず。
性別差別、人種差別に道徳的な問題があることは、少なくとも今の日本では共通認識になっているし、現にそういった不均衡をなくす方向に(まだまだ道半ばとはいえ)世の中が動いているのは間違いない。
ただ、それが実現した時、誰にとっても平等な社会が訪れるかというと、そうとは限らない。『無理ゲー社会』(橘玲著、小学館刊)は「持てる者と持たざる者」の新しいレイヤーの出現を示唆する。