データの裏づけがない商品を平然と売ることも…ジェネリック医薬品の闇
私たちの生活と切っても切れないのが、病気やケガの時に使う医薬品だ。
さまざまな医薬品が無理のない価格で手に入るのは、国民皆保険のおかげであるのと同時に、「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」のおかげでもある。
先進国で医療費を抑え、途上国に必要な薬が行きわたるようになった立役者であり「公衆衛生上のイノベーション」とされるジェネリック医薬品の功績は揺るがないし、今後も必要とされていくことは疑いようがない。しかし、だからこそ目を向けたい側面がある。
「安くて、効き目は新薬と変わらない」
一見いいことずくめのように思えるが、それは製薬会社が高い倫理観を持って医薬品開発にあたっていれば、の話。米紙「ニューヨークタイムズ」のベストセラー書籍に選ばれた「Bottle of Lies: The Inside Story of the Generic Drug Boom」の邦訳版『ジェネリック医薬品の不都合な真実 世界的ムーブメントが引き起こした功罪』(翔泳社刊)は、ジェネリック医薬品の暗い側面に光を当てるノンフィクションだ。