妻がキャリアを犠牲にしないための共働き子育て術とは
「教育→仕事→引退」のこれまでの3ステージ人生の時代から、「人生100」年と言われるように、長寿化によってステージの移行をより多く経験する「マルチステージ」の人生が到来している。
家庭も仕事のキャリアも充実させるために必要なことが「ライフシフト」だ。ライフシフトとは、人生の向きや位置を変え、人生に変化を起こすこと。
■夫のために人生を犠牲にしない 夫婦ともにキャリアを追求できる生き方
『ワーママはるのライフシフト習慣術』(尾石晴著、フォレスト出版刊)の著者である尾石晴氏は、母親、ビジネスパーソンと複数の顔を持って生きるワーキングマザーだ。「何を大切にし、人生の土台にするか」を考え、人生戦略を考えた上で、「マルチステージ」を歩むことに。
この本では、「仕事」「人間関係」「子育て」「お金」「学び」の5つのテーマで「マルチステージ」を歩み始めて尾石氏が行った思考法や実践法を、今まで培ってきた経験や知識、知恵を交えながら紹介する。
共働きで子どもを育てていると、日々の時間がないことに気づく。夫婦は協力し合い、家事育児のリソース(時間、お金、意思力など)配分をやりくりしなければならない。
ただ、日本型企業は長時間労働が前提として成り立っているケースが多い。夫の職場がそういう会社だと、家事育児の担当は妻側が請け負わざるを得ない事態になる。ただ、妻側にもキャリアがあるために、夫婦生活に亀裂が入ってしまうケースもある。
健全な夫婦関係を築くために大事なのが、お互いのキャリアを短期目線で見ない、長期目線で共有すること。その前提として、家事も育児も仕事も全て100%でこなすことは無理である、と二人で認識すること。
そこで尾石氏がおすすめしている考え方が、夫婦は「共同経営者」であり、夫と妻で「家族会社」を経営しているという発想だ。育児は長距離走のため、短期ではなく、長期の経営目標として、お互いのキャリア構築のタイミングを長期事業計画として立てていくこと。長期目線でお互いのキャリアのアクセルの踏みどころを夫婦で調整し合って、家族を経営していくことで、健全なキャリア形成が行えるのだ。
家族がいる場合は、マルチステージの人生を歩むにしても、家族との協力が必要不可欠だ。本書から、これからの人生をライフシフトするための習慣術を学び、家庭もキャリアも思い描く人生を歩むための思考と実践法を身につけてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)