あなたは大丈夫?「小学生はできるのに 大人は間違える日本語」
「下期」
この漢字、読めるだろうか。もしかして「かき」と読んでいないだろうか。
正しくは「しもき」。ちなみに、「上期」は「じょうき」ではなく、「かみき」なので念のため。
小学校で習った簡単な漢字だけで構成された熟語や章句なのに、大の大人が読み間違うことは案外多いもの。本人は正しい読みであることを疑わずに使っていることがままあり、結構自分では気づかずに恥かしい読み間違いをしているのかもしれない。では、どんな漢字が間違えやすいのか。
■「うがった見方をする」の意味を約半分の日本人は間違えている
小学校で習う教育漢字は1026文字。その中から大人が意外に間違える日本語をまとめた1冊が『小学生はできるのに 大人は間違える日本語』(話題の達人倶楽部編、青春出版社刊)だ。
本書では、日本語の使い間違い、漢字、四字熟語、ことわざ、カタカナなど、小学校で習う漢字を中心に、いまさら人には聞けない日本語のあれこれを紹介する。
言葉というのは、読めると思っているものほど間違えてしまうもの。たとえば、美味しいものを食べたとき、よく使うのが「舌鼓を打つ」という表現。「したづつみ」と言ってないだろうか。これは間違いで、正しくは「したつづみ」。「腹鼓」も同様で、「はらつづみ」が正しい読み方となる。「したづつみ」の方が語感がいいのでついそう言いたくなるが、正しいのは「したつづみ」である。両方の読みを見比べていると、だんだんどっちが正しいのかわからなくなってくるが、「したつづみ」である。
また、文化庁が実施した「国語に関する世論調査」で半数以上が間違った意味に使っているとわかった言葉も多くある。「うがった見方をする」は、48.2%もの人が「疑ってかかるような見方をする」という意味だと思っていたらしい。正しくは「物事の本質をとらえた見方をする」という意味なのだそう。これは前者の意味で使っている人はそうとうに多いはずだ。
同様に「まんじりともせず」も本来「眠らないで」という意味だが、51.5%もの人が「じっと動かないで」という意味であると間違った認識をしている言葉だ。
他にも「おもむろに」や「煮詰まる」といった言葉も、意味を誤解している人が多い。日常的に使っている言葉にも、意味の取り間違いの言葉はたくさんある、自分の言葉遣いや文章は正しいか、今一度チェックしてみるのもいいかもしれない。
このように、結構みんな間違っているものなので、勘違いや覚え間違いによって、プレゼンや会議などの大事な場面で恥をかいてしまうこともあるかもしれない。そうなる前に、もう一度、小学生は間違えないけれど、大人は間違える日本語をおさらいしてみてはどうだろう。日本語の教養や雑学の知識を得るためにも本書は活用できるので、楽しみながら読みたい1冊だ。
(T・N/新刊JP編集部)