【「本が好き!」レビュー】『ふたつの海のあいだで』カルミネ・アバーテ著
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喪われた伝説の宿と、一族の記憶。
その再生に人生を賭けた、ひとりの男。ティレニア海とイオニア海を見下ろす場所に、かつて存在した《いちじくの館》。
焼失したこの宿の再建を目指す祖父と孫を中心とする数世代にわたる旅は、時に交差し、時に分かれて、荒々しくも美しい軌跡を描いてゆく――。
豊饒なイメージと響き渡るポリフォニー。イタリアの注目作家による、土地に深く根差した強靱な物語。