クーデターはいつ、どのように成功する?国際政治学者が語るその理論
2月1日未明にミャンマーで起きた政変は日本でも大きく報道されている。
与党指導者だったアウンサンスーチー氏ら政府要人が軍によって拘束され、その軍がミャンマー国内の三権を掌握した。軍によるクーデターである。
クーデターというと、日本ではあまり縁がないイメージがあるが、決してそんなことはない。日本史で勉強する「二・二六事件」は陸軍によるクーデター未遂だし、1970年には作家・三島由紀夫が自衛隊に対してクーデターを呼びかけるという事件もあった(三島事件)。
世界を見渡すと、2016年のトルコ(未遂)、2019年のベネズエラ(未遂)、2020年のマリ(成功)と、たびたびクーデターは起きていることがわかる。決して珍しいものではなく、だからこそ、そこには理論と経験知の蓄積がある。