情報に惑わされないために フィリピン投資で気を付けるべきこととは?
今、東南アジアで成長国として注目を集めているフィリピン。 しかし、投資対象としてその実態はどうなっているのか?
2013年からフィリピンに渡り、独学で投資ノウハウを築いてきたファイナンシャルプランナーの町田健登氏は『副業時代に手堅く儲ける フィリピン投資入門』(幻冬舎刊)を上梓。
32歳で総資産1億円を築き、「フィリピン投資」の現実を明かしている。
フィリピン投資で抑えるべきポイント、投資のおける税務の知識や口座開設など、実務面もカバーした本書について、町田氏にお話をうかがった。
(新刊JP編集部)
■「詐欺案件が多い」フィリピン投資 それでも勝ち抜くために必要なことは?
――町田さんがフィリピン投資を始めてから、最初に手ごたえを感じたのはいつ頃でしたか?
町田:2016年、投資を始めて2年目くらいですね。ドゥテルテ大統領が就任する前だったと思います。
――その時の手ごたえはどんなものでしたか?
町田:2つ手ごたえがありました。
一つは適当に買ったIPO株が3倍になっていたということです。いわゆるホームセンター的なお店で、私が住んでいるカランバという田舎にも店舗があって「ここがIPOしているのか」という感じなんですが、先ほど私がフィリピンに赴任して、建築現場の仕事を任されるようになったと言ったじゃないですか。建設現場の人間たちが皆そこで資材を買っているんです。卸売りがないから小売り価格で買うんですよ。これ、ものすごく儲かってるんじゃないか?と思い、試しに買ったホームセンター株が、結果3倍になったというのが一つ目の手ごたえです。
――なるほど。最初に手を出した投資は?
町田:もともとは不動産です。手堅く絞っていって、最もリスクがないホテルコンドミニアムを選びました。最初に買ったのは、実はシンガポール系ブランドの五つ星ホテルなんですが、これが常に値段が上がり続けて、これはいけるぞと。
また、フィリピン株の投資を積極的に始めました。フィリピン株は、1000円からでも財閥株を買えるので、ひたすら買い増しをしました。慣れてからは、1株2円もしないボロ株等にも積極的に投資をして、資産を築いてきました。気づけば、株の配当や不動産配当が、駐在員の給料を超えておりまして。それをきっかけに、ようやくストレスの多いブラック企業を辞める決心がつきました。
――会社をやめた後は投資家としてご活動されて。
町田:投資家もしつつ、自分自身もお金に苦しんだので、そういう人を助けたいと思ってファイナンシャルプランナーとしても活動をし始めました。ただ、これは今だから笑える話ですが、会社をやめてすぐに1600万円の詐欺にあったんですよ。
――やめてすぐですか?
町田:そうなんです。駐在員として働いている間に貯め込んだお金が一瞬でなくなってしまいました。ただ、その経験はすごく勉強になりましたね。投資はしていたけれど、本物かどうか見極める力がなかったんです。
また、当時はまだ自分が他の人に案件を紹介していなかったので、損をしたのは自分だけだたのが、不幸中の幸いでした。世の中、大切なのはお金より「信頼」です。お金は失っても頑張ればお金は、稼ぎなおせますが、信頼を一度損なうと、このネット社会。簡単には再起できません。お金が儲かったのはたまたま。自分にはまだ商品を見抜く目がない。でも、自分のようにお金に苦しむ人に投資の選択肢を届けたい。そこで、ただの投資家ではなく、金融案件を作る側に回ろうと仕事をしていきたいと思い、フィリピン現地にある日系の金融ホールディングスに就職しました。不動産関連の事業を行う会社に役員待遇で入り、そこで3年役員として従事。株の事業等もどんどん立ち上げました。この本が出るタイミングでライフシフト合同会社を設立して、独立をしたという流れです。
――本書にはサブタイトルに「副業時代に手堅く儲ける」とありますが、日本でも副業としてできるのでしょうか?
町田:大丈夫です。特にフィリピン株は1000円から財閥銘柄等も買えるので、ねらい目だと思います。
――ただ、やはりフィリピンの状況を把握するために、現地に一度は行って確かめに行くべきなんでしょうか。
町田:結局現地を見たところで、何が分かるのかというところですよね。実際来ていただきたいのは間違いないのですが、それよりも大事なのはフィリピン投資を進めるために組むパートナーのチェックです。
現地にいれば情報は集まりますから、現地にいる日本人から情報を得ることは大事です。ただ、その一方で、投資をしたい人を騙そうとする人もいます。現地の人のうわさを聞くといいですよね。悪い投資会社はたいてい悪い風評がたっています。私も騙された一人でもあるので、どうしても不安なら私に言ってもらえれば、たいていのことはお答えできるかと
――フィリピンのドゥテルテ大統領は良くも悪くも目立ちますよね。突拍子もないことを言ったり。
町田:そうですね、アジアのトランプと言われていますからね。
――そういう意味では投資家として彼の存在はリスクになるのではないかとも思うのですが。
町田:見方によります。事業という視点で考えたときには、まさにコロナ禍におけるドゥテルテ大統領はまさにリスクで、世界最長のロックダウンをやってしまうわけですよね。先日、フィリピンの会社の経営者と電話で話していて、固定費が払えなくて事業をやめてしまったと言っていました。今、私は日本に帰ってきていますが、フィリピンに戻りたくても戻れない。そういうことはあります。
ただ、個人投資家としての目線でいけば、実はそうでもないんです。この本でも取り上げている通信会社のディトは、この1ヶ月で株価が2倍になりました。それはシンプルな理由で、ドゥテルテ大統領が親中政策を進めているからなんですね。
これまでフィリピンの通信会社はPLDTとグローブという2社で独占されていて、ディトは「第3の通信会社」として参入しました。そして、中国資本が4割入っているんです。さらに、ドゥテルテ大統領のコネで国軍基地のアンテナ通信塔の独占権を結んでしまった。株価が跳ね上がらないわけがないですよね。
今後もそうしたケースはあるでしょうし、ドゥテルテ大統領があと2年で退任しても、ドゥテルテ政権寄りの政党が議会の過半数を占めているので、親中政策自体続く可能性が高いので、しばらくはこの株を持っておいていいのかなと。
ドゥテルテ大統領は一貫している人で、政策面も真っ当に税収を上げて、その税収をもってインフラ整備と教育に注力していこうとしているので、社会に対しては意外と実直な人だったりします。
――では、最後に本書をどのような人に読んでほしいとお考えですか?
町田:まずはフィリピン投資に興味がある方、フィリピンって大丈夫なの?と不安がある方に読んでいただきたいです。先ほど自分が詐欺にあった話をしましたが、とにかく詐欺案件は多いです。だから、本物かどうかを判別するフィルターを挟むという意味で、この本は役立つ内容になっていると思います。
また、お子さんのいる共働きのご夫婦にもぜひ、読んでいただきたいです。
この先の未来、少子高齢化が一気に進む日本と、人口が2倍になるフィリピンでは、勢いが全く違います。お子さんへの教育資金や生活費等を増やすという意味もありますが、お子さんが大人になるころには、世界の経済バランスは大きく変わります。
「勉強しなさい」「大学に行きなさい」だけでは、通用しない世の中になる。フィリピンに触れることで、ぜひお子さんの視野も世界規模へ。フィリピン=スラムではなくて、フィリピン=可能性に満ちた宝島になるような刺激を受け取っていただけたら嬉しいです。
あとは、もしフィリピン投資に興味を持ったら、ぜひ私にお声がけください。帯には私のSNSアカウントを記載しているので、一緒に勉強していければと思います。
無料で勉強会もしているので、ぜひ、少しでも多くの方とフィリピンの可能性についてお話しできればなと思います。
(了)