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【「本が好き!」レビュー】『秘密結社の世界史 フリーメーソンからトランプまで、その謎と陰謀』海野弘著

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秘密結社というとなぜか陰謀と権力に彩られた物語のような世界が浮かんでくる。
そしてただの酒飲みグループから同じ職業の寄り合いのようなもの、宗教的なもの、そして犯罪組織など様々なタイプの秘密結社があったようだ。
まあ飲み会や寄り合いが秘密っていうこともないだろうけど、ルーツをたどればということでしょう。
十九世紀に秘密結社についての著書を記したヘックーソンによれば、秘密結社は七つに分類できるという。
一、宗教的。古代エジプトやエレウシスの密議。
二、軍事的。テンプル騎士団。
三、法律的。聖フェーメ団。
四、科学的。錬金術師。
五、市民的。フリーメーソン。
六、政治的。カルボナリ。
七、反社会的。ガルドウニャス。
これらの分類が相互に作用しあうこともあるが、政治的なものと宗教的なものが大きいということだけ覚えておけばいいらしい。

エレウシスの密議のように古代の密議を行う宗教は秘密結社のものだったようですが、その中ではピタゴラスの結社が面白い。
数学で有名なピタゴラスですが、その政治思想が危険視されてクロトン人キュロンに弾圧されて弟子ともども焼き討ちにあってしまった。
弾圧されたが故に秘密結社となってしまったようですが、幾何学のうちに宇宙の神秘を見ていたという点で宗教的なものだったそうです。

中世ではイスラムの暗殺集団アサシンの歴史や、クムラン宗団やカタリ派、テンプル騎士団に錬金術師といかにも秘密結社といった集団が登場します。
そして近代ではフリーメーソンが世界の歴史を動かしていく。
映画に出てきそうなイルミナティは1776年にバイエルンのバヴァリアで結成されて、十年ほどで解散した。
だがこれが地下組織となって陰謀史にかかわっているというのはフィクションの世界のようです。

十九世紀末になるとオカルトが流行し、薔薇十字や黄金の夜明けといった魔術的な集まりを行う秘密結社が登場する。
アメリカではアメリカ版のフリーメーソンをはじめ様々な秘密結社が作られているが、KKKもその中の一つに数えられています。
今でも続いているイェール大学のスカル・アンド・ボーンズ、カルト教、テロリストにマフィアも秘密結社であるが、こうして歴史的にみると様々な種類の秘密結社が存在していたことがよく分かった。

(レビュー:DB

・書評提供:書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」

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秘密結社の世界史 フリーメーソンからトランプまで、その謎と陰謀

秘密結社の世界史 フリーメーソンからトランプまで、その謎と陰謀

人はなぜ“秘密結社”に魅せられるのか?古代密儀、テンプル騎士団、薔薇十字団、フリーメーソン、イルミナティ、KKK、ナチス、カルト、マフィア、そしてトランプ…。古代から中世、近代、20世紀、現代に至るまで、秘密結社という「隠された視点」から世界史を読み直す。

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