「1日3食」は時代に合わない 医師がすすめる現代人にマッチした食事法
1日3食が体にいいと言われているがその真偽は、実は不明です。
1935(昭和10)年に国立栄養研究所の佐伯 矩(さいき ただす)医学博士が「日本男子が一日に必要とするエネルギーは2500~2700カロリー、3分割しバランスよく食すること」と提唱したのが1日3食が定着した要因と言われています。
『がんを克服した糖尿病医が考案!弱った体を修復する内臓リセット健康法』(アスコム刊)の著者、青木厚医師がおすすめしているのは「1日2食」。そのメリットはどこにあるのでしょうか?
■「1日3食」は時代に合わない 医師がすすめる現代人にマッチした食事法
先述の通り、「1日3食は健康にいい」ということの真偽は不明です。そして、それとは逆の「食べない生活」が人を最も健康にすると医学論文も多々あります。
2020年、世界のトップ研究者から興味深い論文が次々と発表されました。それは「1日16時間程度食べない時間を作る」ことが、最も人を健康にするというもの。
青木医師によると、「1日3食は不要」説の根拠は2つあります。その1つは、1日3食だと内臓が休む暇なく、疲労すること。
食べものが消化されるまでの時間は案外長く、胃の中に滞在する時間だけでも平均2~3時間。脂肪分の多いものだと4~5時間はかかるそうです。さらに小腸で5~8時間かけて分解するなど、胃から小腸までで10時間程度かかります。
1日3度食事をすると、前の食事が胃や腸に残っている間に次の食べものが運ばれてきて、胃腸は休む暇がなくなってしまいます。だから、年齢を重ねて胃腸の働きが悪くなると、胃腸も疲れやすくなる…という悪循環が起きるそうです。
2つめは1935年に佐伯博士が提唱した「日本男子が一日に必要とするエネルギーは2500~2700カロリー」という説が現代人の生活にマッチしていない点です。運動不足傾向が強く、消費カロリーが少ない現代人の生活を考慮すると、1日に必要なカロリーは、2000カロリー前後と考えられています。3度の食事で2500カロリーもとる必要はないのです。
つまり、3食神話が始まった85年前と今では状況が異なるし、最新医学に基づく話ではないといえる上、3食食べるのは、「食べすぎ」で健康によくないということ。それを裏付ける研究結果が「1日16時間食べない時間をつくることが人を最も健康にする」という医学論文だといえます。
青木医師によると
私たちの細胞はふだん、食べものから栄養を摂取し、必要なエネルギー(ATPという物質)を作っています。
ところが空腹の時間が長くなり、栄養が入ってこなくなると、体は生存するために「体内にあるもの」でエネルギーを作ろうとします。
そこで、古くなったり壊れたりした、細胞内のタンパク質を集めて分解し、それらをもとにエネルギーを作るのです。
その際、古くなった細胞内のミトコンドリアも分解され、エネルギーを供給するとともに、新たに生まれ変わります。
これがオートファジーです。(『がんを克服した糖尿病医が考案!弱った体を修復する内臓リセット健康法』P40~41ページより引用)
心身の不調や病気、がん、老化の原因となる古くなった細胞。
これが食べないことで起きる「オートファジー」効果によって一掃され、細胞や内臓の機能が活性化し病気になりにくい体をつくるそう。
本書では、週に何回、食べない時間を作ればいいか、体にオートファジー効果をもたらすには、どうすればいいかなどが最新の医学知識に基づいて解説されています。
胃腸が疲れていると感じている人や、なんとなく体調が優れない人、健康的な生活スタイルを探している人も、参考にしてみてはいかがでしょうか?
(新刊JP編集部)