話題の著者に聞いた、“ベストセラーの原点”ベストセラーズインタビュー

このエントリーをはてなブックマークに追加
渦森今日子は宇宙に期待しない。

『渦森今日子は宇宙に期待しない。』

  • 著者: 最果 タヒ
  • 出版社: 新潮社
  • 定価: 550円+税
  • ISBN-10: 4101800596
  • ISBN-13: 978-4101800592

『渦森今日子は宇宙に期待しない。』著者 最果タヒさん

出版界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』。
第82回となる今回は、新進気鋭の詩人として注目を集め、小説やアイドルグループの作詞なども手掛ける最果タヒさんです。

新潮文庫nexから出版されている『渦森今日子は宇宙に期待しない。』(新潮社刊)は、アイスが好きで、実は宇宙人で女子高生の渦森今日子と、その友だちや所属する部活・宇宙探偵部の面々の日常を描く、ポップな青春小説。イベントや進路決め、恋愛や友達との関係。それぞれが悩みながら、高校生という一度しかない時間を突っ走っていく姿は、どこか可笑しくもあり、共感できます。

そんな『渦森今日子は宇宙に期待しない。』について、最果さんにインタビューを敢行。なぜ小説で10代を描くのか、ユニークな文体について、影響を受けた作詞家などについてお話をうかがいました。

interview index

  1.  自分を宇宙人だと思って書くのが好き
  2.  最果タヒが小説で10代を書く理由
  3.  「女子高生の会話の勢いをそのまま出せたら」
  4.  「書くことに行き詰ったら、文章を書きます」
  5.  影響を受けた作詞家は松本隆と浅井健一
  6.  ライブを見てその直後に歌詞を書いた
  7.  続編は「いつでも書きたい!」
  8.  取材後記

自分を宇宙人だと思って書くのが好き

― まず、女子高生と宇宙人という組み合わせが面白いと思いました。これはモチーフがあるのですか?

最果: もともと宇宙が好きだったこともあるし、自分を宇宙人だと思って文章を書くのが好きでした。みんなと自分が一緒の人間だと、みんな当たり前に思っているけれど、それに根拠はないじゃないですか。

高校時代、そうした同じだという当然のように信じてしまうことに違和感がありました。そもそも自分の考えは自分にしか分からないし、外側だけしか見えない人たちと自分が同じ存在だと考えるのはとても気持ち悪いと思っていたんですね。だから、自分を宇宙人や異物として捉えてものを考えてみる。むしろそっちの方がしっくりくるというか。

― なるほど。

最果: 渦森今日子は友達に「自分は宇宙人だ」と簡単に打ち明けているし、宇宙人だからこう思う、というふうに意見を述べる。他者と自分を同一視しないから、共感されることをそこまで強く望んでいない。自分の立場からものを考える、というような点では、渦森のような子を描くのは私にとってとても自然でやりやすかったです。でも、だからこそ渦森の主張は、他者からすれば脆弱で、反論もされる。読んでいる人からしても、「私は宇宙人」という渦森の主張を信じるかどうかは、その人によって変わります。そう思い込んでいるだけじゃないのかな? って。それは読む人が地球人だから当然の反応で、そういう見え方をするのもまたいいかな、と思っています。

― 確かに、渦森今日子が本当に宇宙人であるかどうかは分からないまま物語が始まります。独白口調だから、あくまで主観ですし。

最果: 担当編集の高橋さんから、私のブログが面白いということでこの小説執筆のお話をいただいたんです。それで、ブログではしゃべっていることをそのまま出す感じで書いているので、その文体で書くとすると、モノローグの話者である主人公はちょっと変な立場にいる人がいいなと。

― 僕自身、高校は共学でしたが、メインの登場キャラクターの中では渦森今日子が一番女子高生っぽいイメージを受けました。

最果: 今日子が一番まともに見えやすいかもしれませんね。高校生くらいの世代って、そもそもテンションが異常な人のほうが多くて、普通にそのまま描くと、みんなちょっと滑稽に映るように思います。でも、今日子の心情は小説の独白分ですべて読むことができるから、どういう風に考えてその行動に出たのかが分かるし納得ができる。だから、他に比べてまともに見えるんじゃないかな、と思います。

逆にこの作品に出てくる今日子以外の子たちは、今日子の内面を通して映る姿なんですよね。たとえ友達であろうと、100%理解できるわけがないし、だから今日子にとっては意外な行動をとることも多い。行動全ての理由を察することはできないんです。でもそれは他者にとっての渦森も同じで、他の子をモノローグの話者にして書けば、彼女も変な子に見えるはずです。

― 確かに渦森今日子には「メソッドD2」という変なコードネームがあるし、他の子から見れば変な子に映るかもしれません。

最果: 一人だけ落ち着いているのも、彼女の思考回路を見れば馴染んで見えるけれど、別の子から見たら変に見えるんじゃないかな。

最果タヒさんの著書

最果タヒが小説で10代を書く理由

― 『渦森今日子は宇宙に期待しない。』には今日子の他に、原宿に憧れる真っ直ぐな柚子ちゃん、宇宙探偵部の部長に盲目的な恋をする岬ちゃん、妙にクールで現実派な律くん、オカルトオタクの部長、自身も宇宙人を名乗る須磨さんなど、ユニークなキャラクターが登場しますが、キャラクターの作り方について教えてください。

最果: 一方的にしゃべっているような文体で書く、と決めた時に、文体が今日子のキャラクターを左右するだろうな、と思っていました。他のキャラに関しても、今日子の目を通して描かれるので、今日子が友達になるならこういう子だろう、今日子が褒めるならこういうところだろう、といった感じで自動的に作られていった感じです。今日子が柚ちゃんを「良い子」だと言うならば、良い子なんだろうな、こういう感じの子なんだろうな、とか。そういう風にして決まっていきました。

あとはそれぞれ何かしら執着しているものがあるので、それを起点に彼らの行動が生まれていく感じでしょうか。

― 途中のやりとりから今日子と律くんがくっつくんじゃないかと思いました。

最果: いやー、そんな簡単なものじゃないです(笑)。単純に、律と今日子は立場が似ているのだと思います。二人とも他のメンバーを一歩引いたところから眺めている。他者と自分が違うのだ、ということをはっきり意識しているんです。

― この物語のメインキャラクターたちはみんな高校生ですが、最果さんはこれまでも10代が主人公の小説を書かれてきました。10代を書くということはどういうことなのか教えていただけますか?

最果: 10代を書くことは、純粋に楽しいです。10代ってすごく極端だけど、極端な一方で、毎日同じ制服を着て同じ学校に通って同じ勉強をして、大人になった時より他者と「同じ」であることを強制されているんですね。だから、極端になっても、感情がコントロールできなくなっても、第三者から見て全く理解できないようなことにはならない。誰にでも身に覚えのある苛立ちや困惑が、彼ら一人一人の状況や価値観に合わせて変容して、唯一無二の鋭さを見せているんじゃないかと思っています。極端になりすぎた人というのは、普通なら誰にも理解できず、社会からはみ出してしまうのですが、十代であれば、研ぎ澄ました極端さで他者の心を動かすこともできる。

前の2作(『星か獣になる季節』『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。』)でも、そうした極端さが、他者から理解できないと見捨てられるのではなく、互いに絡み合い、影響を与え合うところが書きたかった。社会人になると、変なところで妥協をしたり、我慢したりして、常識の範囲内に収まろうとしてしまう。それが、理解されるための条件だから。そうした必要にかられていない最後の年齢なのだと思います。

10代が、否定されながら拒絶されながら、自分なりの理屈を持って行動しているところを描くのが好きなんです。この小説に出てくる子たちも、みんな一個信念みたいなものを持っていて、それを貫いています。進路を考える話がでてきますが、将来を考えるというのはある意味で、貫いてきたものをこのまま守り続けることはできないと気づくタイミングでもあるんですよね。

― そういう意味では、10代の女の子から反響があったのではないですか?

最果: 「今読めて良かったです」というメッセージをいただいてとても嬉しかったです。あとは、ちょうど進路を決める時期だった子が感想を送ってくださいましたね。登場人物たちがどう考えて、どう決断していくかをすごく大切に描きたいと思っていたので、渦森今日子を読んだ人たちの中で、それが形になっている感じがあるとすごく嬉しいです。

「女子高生の会話の勢いをそのまま出せたら」

― 先ほど少しお話が出た文体についてお聞きします。すごくポップで、どんどん言葉がなだれ込んでくる文体が心地よく感じました。

最果: この小説については楽しんで書くことを意識しました。自分が楽しんで書くことで、文章にもその感じが乗るようにしたくて、「うれしい」ってそのまま書かなくても、うれしそうに感じる文体ってあるじゃないですか。そういうのがわざとらしくなく出るといいな、と。

― 言葉にためらいがない感じがあって、勢いがあるのでどんどん先に進むことができました。

最果: そうなるのが理想だと思って書いていました。女子高生が「聞いて聞いて!」って一気に話すときってすごく勢いがあるじゃないですか。聞いていて圧倒されるあの感じ。あれをそのまま出せたらな、って。

― この『渦森今日子は宇宙に期待しない。』は4話の連作短編になります。『Yom Yom』で連載されていたのをまとめたものになりますが、連載中、ストーリーに悩まれたことはありましたか?

最果: 書いていてたいていはとても楽しかったので、悩んだ記憶があまり残っていないです(笑)。たぶん忘れているだけなんですけど(笑)。

『渦森今日子は宇宙に期待しない。』は、最初に文体を決めていたので、その勢いにストーリーを乗せていくような感じで書いていました。文体がエンジン、みたいなかんじ。だから文体が動いてくれていれば、書いていけたような気がします。キャラクターが動くというより、文体が動くっていうか……。細かいところの肉付けも必要なので、なにもかもそれに任せてってわけにはいかないですけど。

― 最果さんにとって小説を書くことは、詩を書くことと差があるのでしょうか。

最果: そんなに分けているわけではないんですけど、小説の場合、長いので、読む人がわからなくならないように、話の軸をつくることは意識しています。

詩は読む人によって捉える意味が違っていていいと思っていて、曖昧さを残して、そこで自分の都合の良いように解釈してもらうんですけど、小説では解釈を相手に委ねちゃうと次の展開で整合性がつかなくなることがあるので、一本軸を立てて、それありきで自由に書くようにしています。

「書くことに行き詰ったら、文章を書きます」

― 作家さんの中には決まった時間に執筆をするという方もいますが、最果さんの場合は創作にあてる時間は決まっているんですか?

最果: あんまり決めてないです。「よし書くぞ!」って思って机に向かっても集中できないので、もっと気が向いたときに、気軽に書くようにしています。なんとなくテレビをつける、ぐらいの感覚で、机に向かえたらベストです。

― 書いていて行き詰ったときはどうされるんですか?

最果: 行き詰ったら別の文章を書きます。原稿でもブログでも。頭が一番すっきりする瞬間って、書き終わった瞬間だったりするので、とにかく何か書くようにしています。

― 書くためのデバイスもこだわらず。

最果: そうですね。電車を待っている間にiPhoneで1本書いちゃうとか。それくらいゆるいほうがいいです。

― デバイスといえば、インターネットの使い方がすごく斬新ですよね。Tumblrには文章を打ち込んでいく様子をそのまま映したGIF画像をアップされていますし、驚かされることが多いです。

最果さんが文字を打ち込んでいく様子を映したGIF

(文字を打ち込んでいく様子をそのまま見ることができるGIF画像が、
最果さんのTumblrで見ることができる)

最果: ありがとうございます。これが形になったら面白いんじゃないかなと思ったら、とりあえずやってみることにしています。インターネットってなんでもできるし、発表もできるので。

― Instagramも活用されていますし、公式ページではシューティングゲームもできるようになっています。新しいものが好きなんですか?

最果: それらが新しいものという感覚はないんです。LINEでやっていた自動返詩(*1)も、LINE自体が生活に馴染んでいたからで、それを取り入れない方がおかしい気もするんです。本と同じぐらい、スマホは身近ですし、それならそこに詩があってもいいんじゃないかなって。
(*1…LINEアカウントを通して詩の共作ができるという試み)

影響を受けた作詞家は松本隆と浅井健一

― ここからは音楽と最果さんについてお話をうかがっていきます。事前にお話をうかがったところによると、作詞家さんに影響を受けていらっしゃると。

最果: もともと音楽が好きで、特に好きな作詞家が、松本隆さんと、BLANKEY JET CITYの浅井健一さんです。松本さんの歌詞は、最初ははっぴいえんどから知りました。

― 最新の詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』では、松本さんから帯のコメントをいただいていますね。

最果: そうなんですよ! すごく嬉しいです。私にとって二人とも、とても重要な存在です。日本語ってこんなにかっこいいんだということを教えてくれたんですよね。音楽を聴いてかっこいいと思ったら、ミュージシャンになりたいと思うじゃないですか。それと一緒で、私の場合は「日本語ってかっこいい!」と思ったから、日本語を書く人になりました。

最果タヒさんの著書

(松本隆さんからコメントが寄せられた詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』)

― BLANKEY JET CITYの浅井さんの歌詞のどういうところに魅かれたのでしょうか。

最果: それまでかっこいいと思わなかった言葉が、浅井さんの歌詞によって一気にかっこよく見えることがあって。言葉の価値が更新されていく感じがしました。知っている言葉なのに、知らない言葉に聞こえる。そのことにすごく感動して。初めて聴いたのは私が中学生の頃で、これがロックを好きになるきっかけだったんですが、当時は歌詞というより音楽そのものにショックを受けていたかな。

― では、松本さんの歌詞については?

最果: はっぴいえんどを初めて聴いたのは高校生の時です。歌われるのが日本語である、というそのこと自体がこんなにかっこいいなんて、と衝撃を受けました。言葉を書くっていう仕事がしたい、と思ったのもこのタイミングです。

― 松本隆さんと浅井健一さんはご自身の中ではどんな存在ですか?

最果: 尊敬を通り越して、おそろしい存在です。畏怖ってこういうものなのかと(笑)

ライブを見てその直後に歌詞を書いた

― 作詞といえば、最近ではアイドルグループへ詞を提供されていますよね(虹のコンキスタドールの「奇跡100%」と、あヴぁんだんどの「点滅ばいばい」)。作詞は、詩や小説とはまた違う感覚なんですか?

最果: 作詞の場合は音楽がありますし、アイドルが歌う場合はコンセプトやメンバーのキャラクター性もあるので、それを発展させるイメージで書くようにしています。「奇跡100%」は映画のエンディング曲ということだったので、脚本の最後に流れるという前提で書きました。いつも書いている詩は、書き終わるまで自分でもどうなるかわからないし、逆にわからないからこそ書いてみているんですが、アイドルの歌詞の場合はどこに着地すべきか、というのは最初からあるんですよね。アイドルの曲なら、やっぱりその子たちが声に出して歌うことが一番大事だと思うし。だから、その声に出す瞬間をイメージして書いています。書きはじめたときからある程度、着地点を想定するという点では小説の方に近いかもしれません。

― あヴぁんだんどさんは私自身もライブを見たことがありましたし、「点滅ばいばい」が入っているアルバムも持っているのですが、印象に強く残る歌詞だなと思いました。

最果: あヴぁんだんどさんのライブは元気いっぱいで、ものすごく勢いがあって、観ている人を元気にするライブだなと思いました。「点滅ばいばい」はライブを見た直後に書いた詞なんです。ライブでのパワーに背中を押してもらって書きました。

彼女たちのコンセプトは「見捨てられたアイドル」なので、そのコンセプトを中心にして歌詞を作っています。私の感覚や思考を言葉にするというよりは、彼女たちの存在を、私を媒介にして言葉にしていく感じでした。

― 何かを見たり聞いたり感じたりして、それがそのまま言葉に出てくる。

最果: 膝のお皿のすぐ下を叩くと、足が勝手に上がるじゃないですか。それと同じで、パワーがあるものを浴びると、条件反射で言葉が出てくるところはあります。そういうときは書いていてとても楽しいです。

― そうすると、他のクリエイターさんから刺激を受けることがたくさんあるのではないですか?

最果: そうですね。世代関係なくすごい人がいっぱいいて、すごい作品を皆さん作っているので。萩尾望都さんの原画を見たときとか、言葉がぶわって出てくる感覚になりました。鳥肌がたつかわりに言葉が出てくる感じ。動かざるを得なくなるというか。

続編は「いつでも書きたい!」

― 『渦森今日子は宇宙に期待しない。』の続編の予定は?

最果: 私はいつでも書きたいです!実際いつになるかはまだ決まってないですけど。

担当編集・高橋: 担当編集者の野心としては、やりたいと思っています。この本ではそれぞれの進路というか行く先を決めたところで終わりましたけれど、その萌芽がどうなっていくのかというところは、読者に届けたい気持ちがあります。

― 最後に、今後のご予定を教えてください。

最果: 7月6日に小説の単行本『少女ABCDEFGHIJKLMN』(河出書房新社)が出ます。あとは、エッセイの連載が産経新聞の西日本版で7月中旬から始まります。

― ありがとうございました。新作楽しみにしています!

取材後記

最果タヒさんは、実は個人的に今、一番注目している作家です。詩、小説、散文など形に縛られることなく、さまざまなデバイスを駆使して言葉を生み出していく様子は、新しい時代の文学の形、表現の無制限な普遍性を示しているように感じられるのです。
今後、私たちはこの「最果タヒ」という人の生み出す表現により目を向けざるを得なくなるでしょう。その衝撃を私はいちはやく体験してほしいと思いますし、『渦森今日子は宇宙に期待しない。』や詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』はそれにうってつけです。ぜひ、読んでみてください。
(取材・文/金井元貴)

プロフィール

■ 最果タヒさん

1986(昭和61)年生まれ。2008(平成20)年、『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。2015年、『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。詩集に『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』。小説に『星か獣になる季節』『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。』などがある。最新作の小説『少女ABCDEFGHIJKLMN』が7月6日に発売。

アマゾンへのリンク「渦森今日子は宇宙に期待しない。」へ
『渦森今日子は宇宙に期待しない。』
著者: 最果 タヒ
出版社: 新潮社
定価: 550円+税
ISBN-10: 4101800596
ISBN-13: 978-4101800592

作品紹介

渦森今日子、17歳。女子高生で、アイスが好きな、宇宙人。最後で「え?」となったかもだけど、私も、私の友達(岬ちゃん、柚子ちゃん)も、そんなことは気にせず、部活動、体育祭、夏合宿、と毎日を突っ走る。でも、なんだろう。楽しいのに、面白いのに、もやもやする。私が女子高生だから? それとも、宇宙人だから? この“痛み”に、答えはあるの――? ポップで可愛い、青春小説の新地平。(新潮社『渦森今日子は宇宙に期待しない。』書籍ページより引用)

 このページのトップへ
Copyright © 2006-2016 OTOBANK Inc. All Rights Reserved.