新刊ラジオ第1828回 「30日間で生まれ変わる! アドラー流 心のダイエット」
アドラー心理学では困難にめげず、ほどよく心のバランスをとって幸福を手に入れる条件を「自信」「勇気」「リラックス」の3つで示しています。本書ではこれを心のダイエット必要3栄養素と呼び、やせるのではなくスリムにパワフルな心をつくるための無理なく続けられる30日間レッスンを提案。自分に自信がない、自分の性格を変えたい、そんな方にオススメの一冊です。(提供・集英社)
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心のバランスをとるのに必要な3つの栄養素とは?
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
今回ご紹介するのは、アドラー心理学を元にした「心のダイエット」の本。
一体どんな内容なのか、早速見ていきましょう。
【あなたの心の健康診断】
さて、この本では、まず最初に「あなたの心の健康診断」と題して20個の質問が出されています。
今から読み上げますので、皆さんもご自分がいくつ当てはまるか、数えてみて下さい。
1.新しい仕事を頼まれたけれど、引き受ける自身がもてない
2.朝起きたときに会社にいきたくない
3.上司に言いたいことがあっても、気を悪くされるのが怖くて言えない
4.ひとつの仕事で失敗すると長く引きずるほうである
5.職場の会議に出ていると疲れてしまう
6.パーティに誘われても、知らない人に会うのは何となく気後れする
7.自分に投資して勉強したいけれど、時間がないから無理だと思っている
8.友人に言われたひと言が心に刺さっていて気になる
9.相手との距離のとり方がわからず不安だ
10.自慢話を聞くと不愉快だけど我慢している
11.人があまり介入してくるとうっとうしい
12.理解してもらえないと腹立たしい
13.他人との価値観の違いに幻滅することがある
14.期待したような反応が返ってこないと不満だ
15.よその家族の話を聞いてうらやましくなる
16.自分の良いところよりも欠点が気になる
17.好意を抱いている異性でも友情以上には踏み出せない
18.自分がどう思われているか不安だ
19.好きな人と自分は釣り合わないと思う
20.人からあまり好かれてない気がする。
……いかがでしたか?
今の20個の質問のうち、8?16個当てはまった方は、「心やせ」タイプ。
日本人に一番多いタイプですが、時々不安定になる部分を本書のレッスンでカバーしましょう。
16個以上当てはまった方は、「心の激やせ」タイプ。
自己主張が少なく、憎まれることはないけれど、周りからお荷物な場合も、都合よく利用されてしまうこともあるそうです。
やはり本書のレッスンが有効です。
当てはまったのが7個以下の方は、「心デブ」タイプ。
自分はいつも上機嫌、でも、相手からは無神経、お調子者、利己的と思われるタイプです。
自信過剰な傾向があるので、本書のレッスンを通してバランスを整えましょう。
【矢島の心の健康診断結果】
皆さんは、どのタイプに当てはまったでしょうか?
僕はですね……19個当てはまりまして……「心の激やせ」タイプでした。
こういう質問系で始まる本って多いんですけど、ここまで当てはまったのは初めてで本書を読みながら自分でもビックリです。
【本書の特徴】
この本は、僕らの心が、うれしいときだけでなくて、つらいときでも、元気を取り戻して丈夫な心でいられるように、即効性があるのに無理なくいつまでも続けられるように組み立てられています。
つまり「心のダイエット」と題していますが、リバウンドしないようにしてあるんですね。
この本は3章55項目+1章5項目で構成されていて、それぞれの項目が「心のダイエット」レッスンとなっています。
最初の3章55項目を1章10日ペース、つまり30日間で行うことにより、僕らの中で「心のダイエット」を習慣化してしまいましょう、という狙いなんですね。
なお、タイトルにもありますが、この本のレッスンは今流行のアドラー心理学をベースに作られています。
アドラー心理学では、困難にめげずほどよく心のバランスをとって、幸福を手に入れる条件を、「自信」「勇気」「リラックス」の3つで示しています。
この本はこれを心のダイエット必要3栄養素と呼び、1章では「自信」、2章では「勇気」、3章では「リラックス」を手に入れることができるようにまとめられています。
それでは、各章のレッスンを、いくつかかいつまんでご紹介しましょう。
◆著者プロフィール 佐藤綾子さん、長野県生まれ。日本大学芸術学部教授。 カウンセラーでもあり、日本におけるパフォーマンス学の第一人者です。 パフォーマンス学とは、人々の日常における自己表現を研究する学問です。 なので、「自分を伝える自己表現」に関する著書を、これまでに180冊以上上梓されています。
心を安定させるエクササイズをご紹介!
まずは1章「欠点を長所に言いかえる」から、「自信」を取り戻すレッスンを……
第1レッスン……「ないものリスト」より「あるものリスト」が大切
こんなことを思ったことはないでしょうか?
「あの人はいいな、素敵な恋人がいて」
「あの人はきっと運が強いんだ、会社のチームの中で、今日一番成績が良かったみたい」
それに比べて、自分は……恋人がいない、仕事はほめてもらえない……。
こんな風に、人と比べて自分がみじめに思えてくることがあると思います。
そんなときは、自分にないものよりも、あるものを数えていくと、そのあるものがないものを埋め合わせていることに気づくんだそうです。
それは例えば、こういう感じ。
・お金はないけれど、これからお金を貯める預金通帳がある。
・恋人はいないけれど、これから出会うチャンスがある。
素敵な考え方ですね。
僕はてっきり「恋人はいないけれどお金はある」とか、「仕事はうまくいかないけれど、プライベートは充実している」とか、自分にないものから目をそむけ、あるものを見つめて自信を取り戻そう、という事かと思っていたのですが、全く違いました。
逆ですね、「ないもの」にキチンと目を向けて、それを補う反対側の「あるもの」を見つけようという事なんですね!
これ、自信のない人ほど、たくさん見つかるんじゃないでしょうか!?
アドラー心理学の「補償」をベースにしたこのレッスン。
自分にあるものリストを作って、気持ちを明るくしてくれます。
続いて、2章「人と上手につながる」より、「勇気」を取り戻してくれるレッスンを……
第11レッスン……誰かのせいで困っているのではない
例えば、遅刻をしたとき、あなたはこんなことを言っていないでしょうか?
「豪雨で電車遅れちゃって」
なるほど、それは仕方ないですね。
でも、ちょっと考えてみて下さい。
もしかしたらあなたは、昨日の天気予報で明日は豪雨になるというニュースを見ていませんでしたか?
あるいは、朝、雨が激しいことに気づいていませんでしたか?
そこで、いつもより早く家を出ていれば、遅刻はしなかったかもしれません。
そう、遅刻したのは雨のせいではなくて、あなたが油断したせいなのです。
「○○のせいで困っている」「うまくいかないのは○○のせい」
いつもそんな言い方をしていると、自分の失敗を他の何かのせいにしないと、気持ちまで落ち着かなくなってしまいます。
そんなことを続けていると、どこかで人間関係が壊れてしまいます。
他の何かのせいにしがちな人は、気をつけましょう。
このレッスン、とてもアドラー的ですね。
一見厳しいように思えますが、自分の人生は自分自身が作っている、と考えるようにすると「勇気」を取り戻せます。
その一環として、まずはこういう考え方から始めるのがいいんですね。
続いて第3章「今のままでできることをやってみる」より、「リラックス」のレッスンを……
第27レッスン……全身を使って部屋の片づけをする
トヨタの有名な5S「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」。
部屋の片付けと聞いたら、最初の4つ、整理、整頓、清掃、清潔は、そのまま当てはまりますね。
そして、著者の佐藤さんは、このレッスンでしつけについてこう述べています。
大人になってしまうと、もう誰もあなたをしつけてくれません。
自分をもっと美しいライフスタイルにする先生は自分、生徒も自分です。
そして提案するのがこのレッスン。
例えば、棚の上のほうの物を取るのに、踏み台を使わないで思い切り背伸びをしてみるなど、部屋の片付けや日常生活に全身運動を取り入れてみましょう。
部屋の片付けもそうですが、普段の面倒くさいなと思うことに、全身運動を取り入れて、「これはエクササイズだ」と意識を切り替えるのがポイントです。
体を動かせば、心もスッキリしますからね。
また、個人的にも部屋の片付けは、視覚的にも運動的にも、心機一転するパワーがあると思います。
次の休日に取り入れてみたいレッスンですね。
自分を変えたい方におすすめの一冊
さて、そろそろまとめに入りたいと思います。
先ほども述べましたが、こちらの本は、3章55項目+1章5項目で構成されていて、3章55項目を30日間で行える「心のダイエット」レッスンになっています。
最終章では、アドラー心理学の分かりやすい解説があり、また各章はじめのコラムやワークも、心を安定させる効果があり、その場でさっと行えるものになっています。
読んで考える、というよりも、読んで実行する、というタイプのコチラの本。
一つとして難しいレッスンはありませんので、自信をつけたい、自分の性格を変えたい、あるいはアドラー心理学に興味がある、また、今日の最初の「心の健康診断」にひっかかった……。
そんな方は是非、お手にとってみて下さいね!
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