新刊ラジオ第1773回 「付添い屋・六平太 龍の巻 留め女 (小学館文庫)」
信州・十河藩で、主君の籠を守る「供番」を務めていた浪人・秋月六平太は、商家の子女の芝居見物や行楽の「付添い屋」で身を立てている。妹の佐和は六平太の再士官を願うも本人は浮き草のような暮らしをする日々。そんな六平太のもとには一生懸命生きている人たちの悩み事が今日も迷い込む。大物脚本家が描く人情時代劇!
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
さっそく本書の内容をみていきましょう。
主人公・秋月六平太は、かつて信州・十河(そごう)藩の?供番(ともばん)?(籠を守るボディーガード)を務めていたが、家中の権力闘争に巻き込まれゆえあって浪人となった男です。
今は裕福な商家の子女の芝居見物や行楽の?付添い屋?(これもボディガード)で身を立てています。
そんな六平太には血のつながらない妹の佐和(さわ)がおり、浅草・元鳥越(もととりごえ)の長屋で二人暮らしをしています。
佐和は、六平太の再士官を夢見て、浅草元鳥越の自宅を守りながら、裁縫で家計を支えていますが、六平太本人にその気はなく、相惚(あいぼ)れの髪結い・おりき、音羽(おとわ)界隈を取り仕切る毘沙門一家の菊次とともに、浮き草な日々を過ごしています。
そんな六平太は、何かともめ事や悩み事を抱えた人たちと出会うのですが……。
今回は、「龍の巻」に収められている全4話のうち、「初浴衣(はつゆかた)」の一部をドラマにしました。
それでは、どうぞ本編をお聴きください。
◆著者プロフィール 金子成人さんは、本作『付添い屋・六平太』で小説デビューをされた新人作家なのですが、脚本家としてかなりの活躍をされてきた方です。 1949年長崎県生まれ。72年『おはよう』で脚本家デビュー。刑事もの、ホームドラマ、時代劇などの執筆を経て、1979年に手掛けた『死にたがる子』(NHK)が第5回放送文化基金本賞を受賞。さらに97年には第16回向田邦子賞も受賞されています。 デビュー以来のテレビドラマ・映画・舞台の執筆本数は、なんと述べ400本以上。小説家としては新人ということになりますが、その筆力は折り紙付きです。
『付添い屋・六平太 虎の巻 あやかし娘』が本書と同時発売。2014年11月には、 さらに続編の『付添い屋 六平太 鷹の巻 安囲いの女』が刊行されております。
付添い屋・六平太 龍の巻 留め女 (小学館文庫) |