新刊ラジオ第1766回 「脱・限界集落株式会社」
『限界集落株式会社』がこの2015年1月、NHKでドラマ化され、今回紹介する作品はその続編。駅前のシャッター通り商店街に再開発の話が突如持ち上がり、住民たちは賛成派、反対派とに意見が別れ混乱してしまいます。地方が直面する人口減少、高齢化、過疎化。危機を救うのは、再開発か、それとも現状維持のままか。
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概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
今回紹介する本は、反町隆史さんが主演で、1月31日からNHKで放送されるテレビドラマ『限界集落株式会社』の続編です。
人口50人ほどの、信州の外れにある、小さな集落「止村(とどめむら)」。
この村は、市町村合併後、病院・バスも廃止に向かい、消滅寸前の限界集落と化していました。
そんな山深い限界集落の村を多岐川優が、村ごと株式会社化することで再建していく……、という話しなのですが、今回の『脱限界集落株式会社』では、その4年後が舞台となります。
続編ではありますが、こちらから読んでも内容的に問題なく、むしろ前作が読みたくなってしまうと思います。
止村は、麓にある幕悦(まくえつ)町の国道沿いに完成した大型ショッピングモールと業務提供して発展を続けています。
そんな中、かつて栄えていた駅前商店街は、シャッター通りになってしまいましたが、コミニティ・カフェ「コトカフェ」の開店や、東京からやってきた若者たちでにわかに活気を取り戻してきました。
けれども、ショッピングモールの成功に気を良くした優のかつての盟友・佐藤の主導で、幕悦町の駅前商店街の開発計画が持ち上がります。
コミニティ・カフェ「コトカフェ」を運営している又従兄弟・新沼琴江(にいぬま・ことえ)を手伝っている優の妻、美穂は、商店街の保存に奮闘しますが、地元民の間でも、賛成派、反対派と別れ、意見は平行線のまま。
その「コトカフェ」でアルバイトとして働く、長谷川健太(はせがわ・けんた)。
健太は、東京での生活からただ逃げ出したくて、この村にやってきます。
最初は、仕方なくという感じで仕事をしていたのですが、徐々に気持ちに変化が……。
それでは、ここからは本編のドラマをお聴きください。
◆著者プロフィール 著者の黒野伸一(くろの・しんいち)さんは、1959年神奈川生まれ。 『坂本ミキ、14歳』で第一回きらら文学賞を受賞し、デビュー。 その他の作品に、『万寿子さんの庭』『幸せまねき』『限界集落株式会社』。
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