だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1723回 「ジョーカー・ゲーム (角川文庫)」

陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。
スパイ行為は卑劣だ、と多方面から猛反発を受けたこの学校には、人並み外れた精鋭たちが潜んでいた。
「死ぬな、殺すな、とらわれるな」
軍隊組織を否定する戒律を叩き込まれた学生たちは、日本にいったい何をもたらすのか――!
手に汗握る究極のスパイ・ミステリー!!

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概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

「ジョーカー・ゲーム」は新刊ラジオ第1519回でご紹介した「パラダイス・ロスト」につながるD機関シリーズの第1作目。

一話完結形式で、様々なスパイの物語が描かれています。

今回は待望の映画化! ということで、新刊ラジオでご紹介します。

まず、内容を見ていきましょう。

今回は本書の中の一編、「ロビンソン」をピックアップしました。

本シリーズの要となるは、陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。

かつて優秀なスパイだったとされる男の発案により誕生したこの機関は、 その特殊性により多方面から反発を招いていました。

陸軍内部の“諜報活動など卑怯で卑劣な行為だ”として見下す風潮があることに加え、「殺人、及び自決は、スパイにとって最悪の選択肢」 という、軍隊組織の信条を真っ向から否定するようなこの戒律が、より強い反発を買ってしまいます。

“D機関”の出身である伊沢は日本陸軍の命令により、英国にある「前田倫敦写真館(フォトスタジオ)」の館主の甥っ子として遠路はるばる海を渡ってきました。

目的は、英国の情報を日本に流すこと。

しかし、とある男との密会の後、自分が尾行されていることに気が付きます。

持ち前の技術で一旦撒くことに成功するのですが、フォトスタジオで待ち伏せを受け、スパイの容疑で逮捕されてしまうのです。

どうして伊沢はスパイだということがばれてしまったのか。

今後、どうなってしまうのか。

それでは、物語の一部をドラマにしましたので、どうぞ本編をお聴きください。

◆著者プロフィール 柳さんは、1967年生まれ。 2001年に『黄金の灰』でデビューしました。同年『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞を受賞。2009年、『ジョーカー・ゲーム』が吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞、本屋大賞3位となりました。

ジョーカー・ゲーム (角川文庫)