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世界的大ベストセラー『かいじゅうたちのいるところ』はなぜ売れた?

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 1月15日より実写映画が公開し、日本語吹き替え版では加藤清史郎くんが声優を務め話題となっている『かいじゅうたちのいるところ』。原作絵本(冨山房)はなんと世界中で約2000万部を売りあげ、20世紀最高の絵本と言われています。

(写真)

 あらすじはこんな感じ。

 いたずらをしてお母さんに怒られた主人公マックスが、一年以上の長い航海の末に怪獣の住んでいるところへ辿りつく。そしてそこで王様になる。かいじゅうたちと遊んだり踊ったり、すごく楽しいのに、ある人が恋しくなって、マックスは帰る決意をする。そして家に帰る…。

 日本では1975年に発売され、100万部をすでに突破。しかし1963年にアメリカで発売された当初はあまり評判が良くなかったそう。母親に反抗した子供が旅にでる、という内容に対して、教育者や図書館関係者が「子供の反抗を認める考えはよくない」と図書館に置くのを排除しようとしたのです。それでも、『かいじゅうたちのいるところ』が世界中に広まっていったのは「子供たちがこの絵本が好きだからです」と日本語訳を出版している冨山房・坂本さんは話します。

 30年以上売れ続ける人気の秘密は何か?という問いに対しては「いつの時代の子供にも愛されるから」というのが主な理由だと言います。今、日本には3世代の読者がいます。40代半ば過ぎた人でも、自分の親に買ってもらった経験があるはず。自分の子供のために買うこともあるでしょう。「そういったことが世界中で起きているのではないかと思います」とのこと。
 最近では、オバマ大統領が昨年の復活祭で集まった子供たちに『かいじゅうたちのいるところ』の読み聞かせを行いました。大統領も子供の時に読んだのかもしれません。

 子供だけでなく、大人も楽しめる一冊。センダックの描く、黄色い目をした一見奇妙なかいじゅうたちは、読んでいるうちに愛らしく見えてくるから不思議。ページをめくるごとに読む人を物語の世界へ引き込んでいく。かいじゅうおどりのシーンは特に圧巻!そして現実に戻り、母親の愛情に気づく。「読んでいる子供はそこまで考えていないと思いますが、家に帰って自分の眠るベッドがあり、温かい食事が用意されている、ということにほっとすると思います」と坂本さん。冒険、かいじゅう、お母さん、と子供が好きな要素がたくさん入った、心温まる絵本なのです。


 そして『かいじゅうたちにいるところ』を読んで他のモーリス・センダックの作品が気になった人にお勧めの作品を紹介します。

 『まよなかのだいどころ』(冨山房)

(写真)

 真夜中の台所に迷い込んだ男の子ミッキーはミルクを間違えられてケーキの生地の中に混ぜ込まれてしまいます。再びベッドに戻るまでのミッキーの大冒険。


 『まどのそとのそのまたむこう』(福音館書店)

(写真)

 小さな女の子アイダはゴブリンに誘拐された妹を探しに、まどのそとのそのまたむこうへと出ていきます。他2作より、宗教色の濃い、神秘性のある作品。


 『かいじゅうたちのいるところ』を含め、三冊でモーリス・センダックの三部作と言われています。センダックの描く空想の世界を体験してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部/川口絵里子)


[2010/01/29 配信]

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