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カーネギー賞受賞作「”機関銃要塞”の少年たち」の続編が本邦初訳―宮崎駿監督描き下ろしイラストと共におくるウェストール作品―【書評】水深五尋

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スリリングなストーリーとともに宮崎駿氏の絵も楽しめる
スリリングなストーリーとともに宮崎駿氏の絵も楽しめる
 本書『水深五尋』の挿絵、カバーイラストは、映画となりのトトロ崖の上のポニョなどであまりに有名な映画監督、宮崎駿氏が手掛けている。同氏は以前にもブラッカムの爆撃機の復刊を企画、漫画描き下ろしをするなど、本書の著者であるロバート・ウェストールの熱烈なファンなのだそうだ。

 肝心のストーリーは第二次大戦下、イングランド北東部の小さな港町の16歳の少年たちを中心にして進む。ある晩、貨物船がUボートに爆沈されるのを見た主人公のチャスは、翌朝、砂浜で発信機らしきものを見つける。そして仲間たちとスパイ探しを始めるところからチャスたちの命がけの冒険が始まるのだ。

 作者おぼえ書きにあるように本書はウェストール氏の自伝的要素の強い作品である。作中の町のモデルとなっているのは、実際に作者の生まれ育った町の隣町だ。チャスたちの冒険の中で、実際の戦時下のイングランドの街の様子や移民の置かれている状況、戦争の悪夢と悲劇もみることができる。

 本書は機関銃要塞の少年たちの続編にあたり、主人公のチャスや幼なじみたちは本作では16歳になっている。本書と合わせて前作も読んでみるのもいいかもしれない。もちろん前作を読んでいなくても本作は十分にスリリングだ。

 児童文学作家と呼ばれることの多いロバート・ウェストールだが、大人でも十分に楽しめる内容となっている。
 宮崎駿氏の絵とともにじっくりと味わってほしい一冊だ。
 (新刊JPニュース編集部)

 ◆水深五尋
 著者:ロバート・ウェストール
 出版社:岩波書店
 価格(税込):1995円
 発売中

[2009/05/03 配信]

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更新:2010/09/09
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