落ち込みやすい。すぐに不安になる。悲しくなってしまう。 そうしたネガティブな感情を消し去るには、心の免疫力が必要だ。

人間の体には免疫力が備わっており、そのおかげでウイルスなどが入ってきても、免疫力が働いて病気になるのを防いでくれる。同じように心にも免疫力があれば、負の感情が入り込むのを防いでくれるのではないか。

そこで心の免疫力を保つためのシンプルなコツを教えてくれるのが『心の免疫力』（植西聰著、笠間書院刊）である。

■物事を楽しむ、陽気に笑う　ネガティブな感情に負けない方法

心の免疫力を強めるには、「楽しむ」という意識を持つことが重要だ。その一方で、「楽しい」とは反対の感情の「辛い」「苦しい」「悩ましい」という感情は、心に侵入するウイルスのようなもの。このようなネガティブな感情に感染しないためにも、普段から心の免疫力を強化する必要がある。

この心の免疫力を強化するための良い方法の一つが、「楽しむ」ことを心掛けることだという。

物事を楽しむコツは、「楽しめること」を見つけようと努力することだ。見つける努力をすれば必ず「楽しめること」は見つかる。一方で、努力をしなければいつまでも見つからない。まずはこの単純な心理を心得えよう。

また、「陽気に笑う」ことで「生きていて楽しい」という実感が生まれる。そして、「生きていて楽しい」という実感が心の免疫力を強化してくれるという。

アメリカの心理学者であるウィリアム・ジェームズは「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」と述べている。悩ましいことがある時こそ、笑うことが大切だ。明るく笑うことが悩みへの心の免疫力を強化し、さらにはその人の人生を好転させるきっかけにもなるのだ。

また、毎日十分に達成可能な小さな目標を作り、それを確実に達成し、楽しい気持ちにする方法もある。この時、どんなことであれ「楽しんでやろう」と固く決心してそれに従事することが、楽しむコツ。そして、小さな目標を達成した楽しい気持ちが、新たな活力を生み出していく。

　◇

仕事で失敗をしたり、何かに悩み落ち、ネガティブな感情をいつまでも引きずってしまうことは誰にでも起こること。そのとき、心の免疫力を維持できていれば、心を持ち直す活力となる。心の免疫力を保つコツを日頃から実践することで、日々の生活が豊かになるはずだ。

（T・N／新刊JP編集部）